角田裕毅「兎に角 ペースが上がらない」”期待外れ”の一因はセットアップ作業不足、とアルファタウリ
6月16日(金)の2023 F1第8戦カナダGP初日プラクティスを終えた15番手で終えた角田裕毅(アルファタウリ)は、ペース不足を理由に改善が必要と訴える一方、2日目は初日と異なるコンディションが予想されるため、神経質になるべきではないとの考えを示した。
僚友ニック・デ・フリースを1000分の61秒差で退けたFP2を経て角田裕毅は「今のところ、少しばかり苦戦しているように思います。バランス自体は問題ないのですが、兎に角、ペースが上がらないので、改善のために取り組んでいかなければなりません」と1日を振り返った。
「ただ、明日は完全に雨になりそうなので、特に1ラップペースに関しては、ドライコンディションばかりを気にする必要はないのかなと思っています」
「少しばかりロングランにも取り組みました。こちらはさほど悪くないのですが、いずれにしても明日に向けて、雨が降っても対応できるように準備するつもりです」
チーフ・レースエンジニアを務めるジョナサン・エドルズは「もう少し良いペースを期待していた」として期待外れであった事を認めつつも、赤旗や雨の影響で予定外に慌ただしい1日となり、セットアップ作業に取り組めなかった事が一因との見方を示し「明日に向けてクルマに変更を加える事で一歩前進できると思う」と付け加えた。
ピエール・ガスリー(アルピーヌ)のマシンストップを経て、CCTVカメラの障害によりFP1は事実の中止となった。エアロレイクを使ったデータ取りのための走行を終える事ができたのはアルファタウリにとって不幸中の幸いだった。
FP1の短縮を受け国際自動車連盟(FIA)は、開始時刻を前倒しする事でFP2を30分延長とした。それでも90分間のセッションは2度の赤旗中断に見舞われた挙げ句、終盤には豪雨が降り注ぐ展開となった。
走行時間が減った事による影響はないのか? そう問われた角田裕毅は「それでも2時間走れたので、十分と言えると思います」と説明した。
「タイヤも多く使えましたし。十分に走り込めたので影響はないと思います」
FP2でのプログラムについてエドルズは「FP1用のタイヤを持ち込める事になったため、90分間のFP2では新品3セットと、ほぼ新品の1セットを使用することができた」と述べ、次のように説明した。
「できるだけ多くの走行時間をドライバーに与えるのが我々の計画だった。4セットのタイヤでショートランとピットストップに取り組み、その後、ロングランに焦点を当てた」
「セッションの終盤に雨が降ってくる事が分かっていたため、それに合わせて走行プランを調整した。結果、予定されていた作業を全て消化することができた」
「ウェット宣言が出たため、明日に向けてインターミディエイトタイヤを1セット貰うために1周する必要があったが、赤旗が出るようなリスクを冒したくなかったため、路面が乾いている段階でこれをこなした」
FP3と予選が行われる土曜のモントリオールは降雨が予想されており、スターティンググリッドは混沌とした並びとなる可能性がある。予選に向けて角田裕毅は「Q2あるいはQ3進出が果たせればと思っています」と語った。
2度の赤旗が振られた2023年F1カナダGPフリー走行2でトップに立ったのはルイス・ハミルトン、1000分の27秒差でジョージ・ラッセルが続き、メルセデスが1-2で初日を締め括った。3番手にはカルロス・サインツ(フェラーリ)が続く結果となった。
3回目のフリー走行は日本時間6月17日(土)25時30分から、公式予選は同29時から1時間に渡ってジル・ビルヌーブ・サーキットで開催される。セッションの模様はDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。