ガスリー離脱、角田裕毅の肩に掛かる重圧「技術指導できるくらいに成熟するはずだ」とアルファタウリ
ピエール・ガスリーのアルピーヌ移籍はすなわち、角田裕毅がその後任のチームリーダーとして2023年のスクーデリア・アルファタウリを率いていかなければならない事を意味する。
F1日本GPのFP3開始を数時間後に控え、アルピーヌはガスリー起用を発表し、アルファタウリはガスリーの後任としてニック・デ・フリースと契約を結んだ事を明らかにした。
「自制」に課題も楽観視するトスト代表
リードドライバーとしての準備の程度について角田裕毅は、グランプリ開幕前のプレスカンファレンスの中で、まだガスリーから学ぶべき点があり発展途上だとしていたが、フランツ・トスト代表は楽観視しているようだ。
トスト代表は土曜の記者会見の中で「ユーキは良いステップを踏んでいる。もちろん、自制という面では少し課題があるが、私はユーキが本当に素晴らしい仕事をしてくれると確信している」と述べた。
「彼は昨日、ここ鈴鹿で初めてF1クルマを走らせ、素晴らしい天性のスピードを持っていることを示してくれた」
「だから私はユーキの将来は成功すると確信しているし、来年はニックと共に力強いチームを作り上げられると考えている」
「ニックはまだF1での経験が浅い。そしてユーキはまだ勉強中だが、来年のユーキは技術指導ができるくらいに成熟しているに違いないと考えている」
角田裕毅に足らない「自制」とは、ドライビングの最中の話なのか、それともクルマに乗っていない時の話なのか? トストは「両方だ」と答えた。
真剣な候補たり得なかった岩佐歩夢ら若手
当然、ガスリーの後任選定に際しては全てのレッドブルジュニアが検討されたものの、経験不足を理由に真剣な候補に上がる事はなかったようだ。
「レッドブルの若手ドライバーはすべて検討した。F2にはリアム・ローソン、岩佐歩夢、デニス・ハウガー、そしてF3にはアイザック・ハジャーがいるが、彼らは誰もが経験不足だ」とトスト代表は説明する。
「彼らはもうあと1年か2年、各々のカテゴリーを続ける必要がある。そのうえで我々は改めて将来を検討する」
ファエンツァのチームは”トロロッソ”と呼ばれていた昔から伝統的に、ジュニアドライバーを起用して育成し、それをシニアチームのレッドブルへと送り込む役割を担ってきた。
ただ、”アルファタウリ”へとリブランドされて以降はジュニアチームというよりも、むしろ姉妹チームと呼ばれることが多くなった。
レッドブルのためのトレーニングの場でないのだとすれば、アルファタウリの存在意義は何処にあるのだろうか?
これについてトスト代表は「アルファタウリ(服飾ブランドとしてのアルファタウリ)のアンバサダーであること、そしてもちろん、やはりレッドブル・レーシングのためのドライバーを教育する点にある」と答えた。