アンドレッティ・オートスポーツの佐藤琢磨と田辺豊治、2017年インディアナポリス500マイルレースにて
Courtesy Of Indycar

ホンダF1、高速3連戦へ「インディ500優勝の琢磨選手や米国の仲間達の活躍に応えたい」と田辺TD

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ホンダF1の現場統括責任者を務める田辺豊治テクニカル・ディレクターは、今週末に開幕を迎えるベルギーとイタリアでの高速3連戦に先立って、ホンダ・パフォーマンス・ディベロップメント(HPD)時代の同僚と佐藤琢磨が成し遂げた2度目のインディ500制覇の活躍に応えたいと語った。

8月23日に開催された第104回インディアナポリス500マイルレースでは、レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングの佐藤琢磨が歴史に名を残す2勝目を挙げ、モータースポーツ界を騒然とさせた。田辺TDはホンダ第3期(2000~2008年)撤退の2013年から17年にかけて、HPDのシニア・マネージャー兼レースチーム・チーフエンジニアとして活躍。インディカーに転向した佐藤琢磨と共に第101回インディアナポリス500優勝の快挙を達成した。

再び世界の頂点を制したかつての仲間達に刺激を受けた田辺TDは、F1でもホンダパワーの強さを見せつけたいと意気込んでいる。

「先日の日曜、アメリカから佐藤琢磨選手のINDY500優勝というビッグニュースが飛び込んできました」と田辺TDは語る。
 
「琢磨選手、2回目のINDY500制覇という快挙の達成、おめでとうございます!2度目のミルクの味はいかがでしたか? HPDの皆さんにも、おめでとうの言葉を送りたいと思います」

「INDYと同様に、我々のF1でのライバルも強力ですが、両チームともにここまでの戦いの中でパッケージとしてのポテンシャルの高さを感じています。琢磨選手やアメリカにいる仲間たちの活躍にも応えるべく、今週末もいいレースを見せ、ポジティブな結果を得られればと思っています」

F1サーカスは今季2度目のトリプルヘッダーを終えて、ベルギーのスパ・フランコルシャン、イタリアのモンツァ、ムジェロと続く高速サーキットでの3連戦を迎える。

歴史溢れるスパは、壁の如き丘を駆け上がった先に控える名物コーナー「オー・ルージュ」が有名な緑豊かな山間に位置するコースで、全長約7kmとカレンダー最長のコース上には、絶え間ないアップダウンとバラエティ豊かなコーナーが配され、エンジンパワーとドライバーの技量を問う。

田辺TDはスパ攻略のポイントとして、「パワーユニットのパワーが試される」とした上で「同時に、回生エネルギーの使用と回収のバランスを考慮したエネルギーマネジメントが重要」と説明。「セッションを重ねながらPUセッティングの最適化を進めていきます」と語った。

オー・ルージュからレ・コームまでの長い全開区間は特にエネルギーマネジメントが鍵を握るセクションであり、ホンダのエンジニアたちの腕の見せ所となる。


ベルギーGPの戦いの舞台となるのはスパ・フランコルシャン。カレンダー最長となる1周7,004mのコースは、平均240km/hを誇るF1随一の超高速サーキットとして知られる。

昨年のグランプリでは、シャルル・ルクレール(フェラーリ)がキャリア初のポール・トゥ・ウインを飾り、2位にルイス・ハミルトン(メルセデス)、3位にバルテリ・ボッタス(メルセデス)という結果となった。

F1ベルギーGPは、日本時間8月28日(金)18時からのフリー走行1で幕を開ける。

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