スパ・フランコルシャンのピットレーンを歩く角田裕毅(スクーデリア・アルファタウリ)、2023年7月30日(日)F1ベルギーGP決勝レース
Courtesy Of Red Bull Content Pool

角田裕毅に久々の笑み「後半戦ではもっとポイントを!」本領発揮で3ヶ月ぶり入賞、終始上位争いを展開

  • Published:

7月30日(日)のF1第13戦ベルギーGPで10位フィニッシュを果たし、第4戦アゼルバイジャンGP以来8戦ぶり、今季3回目の入賞を飾った角田裕毅(アルファタウリ)は、チームの仕事ぶりに大きな賛辞を贈った。

11番グリッドに着いた角田裕毅は、オープニングラップを終えてポイント圏内8番手に浮上すると、翌周にランド・ノリス(マクラーレン)を抜き去り7番手に。5周目には手負いのカルロス・サインツ(フェラーリ)をオーバーテイクして6番手にまでポジションを上げた。

スパ・フランコルシャンのオー・ルージュ、ラディオンを駆け上がる角田裕毅(アルファタウリ)、2023年7月30日F1ベルギーGP決勝レースCourtesy Of Red Bull Content Pool

スパ・フランコルシャンのオー・ルージュ、ラディオンを駆け上がる角田裕毅(アルファタウリ)、2023年7月30日F1ベルギーGP決勝レース

その後はアレックス・アルボン(ウィリアムズ)相手に戦略面でポジションを死守。1ストップ戦略勢に先行を許して後に順位を落としたものの、それでも10位を守り切って貴重な1ポイントを持ち帰った。

44周を通して終始、トップ10を争うパフォーマンスを発揮した角田裕毅は「まず何よりもチームが素晴らしい仕事をしてくれました」と久々に笑みを浮かべ、車体開発に尽力したファクトリー、それを引き出したエンジニア、そしてミスなく素早いタイヤ交換作業を行ったメカニックを含めたチーム全体に対する賛辞を口にした。

「クルマは飛ぶように速かったですし、ピットストップも本当に迅速でした。特にイギリスのビスターとイタリアのファクトリーを含めて、誰もが素晴らしい仕事をしてくれたと思います」

「シーズン序盤のような状態に戻れて嬉しいです。特にここ2レースは、ポイントを獲得するチャンスがありながらも、残念ながらそれを達成する事ができず、それ以来、少し苦戦する状況が続いていました」

「ですが、こうして最高の形でサマーブレイク前のシーズンを締め括る事ができ、本当に嬉しいです」

「チームの仕事に報いて、休みに向けて少しばかりポジティブなエネルギーを与える事ができたと思います」

「前方の何台かがリタイヤしたため、少し運が良かった事は確かですが、クルマは自然と前に進んでいくような感じで感触が本当に良く、僕は兎に角、タイヤマネジメントに集中しました」

「ある時点で雨が降ってきたのですが幸いにもすぐに止んだため、ペースを維持してコンスタントに走る事ができました」

テクニカル・ディレクターを務めるジョディ・エギントンは「ユーキは力強い走りを見せ、各々のタイヤを本当に上手く使いこなしてトップ10をキープした。レースの大部分でポイントを賭けた争いを繰り広げてくれた。これは実力に基づくものだ。彼はこれを誇るべきだ」と振り返った。

スパ・フランコルシャンのレ・コームでアレックス・アルボン(ウィリアムズ)をリードする角田裕毅(アルファタウリ)、2023年7月30日(日)F1ベルギーGP決勝レースCourtesy Of Red Bull Content Pool

スパ・フランコルシャンのレ・コームでアレックス・アルボン(ウィリアムズ)をリードする角田裕毅(アルファタウリ)、2023年7月30日(日)F1ベルギーGP決勝レース

オーストリア以降、目立って成績が奮っていなかった事に加え、前日のスプリントではスピンを喫して最下位と、厳しい状況の中でのポイントフィニッシュは後半戦に向けて角田裕毅を大きく後押ししたようだ。

「特に昨日は本当に酷い一日だったので、その気持ちをサマーブレイクに持ち越したくありませんでした」と角田裕毅は語る。

「おそらくはバルセロナ以降、パフォーマンスが少し落ちているのは分かっていました。弱点も改善しなければならない点も多くあります。でも最終的に、特に今日は全てをクリーンに保つことができました」

「満足していますし、シーズン後半戦に向けて準備が整ったように感じています」

ドライバーズパレードでアレックス・アルボン(ウィリアムズ)と話す角田裕毅(スクーデリア・アルファタウリ)、2023年7月30日(日)F1ベルギーGP決勝レースCourtesy Of Red Bull Content Pool

ドライバーズパレードでアレックス・アルボン(ウィリアムズ)と話す角田裕毅(スクーデリア・アルファタウリ)、2023年7月30日(日)F1ベルギーGP決勝レース

アルファタウリがサマーブレイク前の前半戦で稼いだ全てのポイントは角田裕毅によるものだった。

ウィリアムズ、ハース、そしてアルファロメオとのコンストラクターズ選手権7位を賭けた争いに勝つためには後半戦での更なる活躍が欠かせない。

角田裕毅は「後半戦ではもっとポイントを獲得していきたいと思います」とファンに誓った。


7月30日(日)にスパ・フランコルシャンで行われた2023年F1第13戦ベルギーGP決勝レースでは、6番グリッドからスタートしたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が8連勝を達成。2位にチームメイトのセルジオ・ペレスが、3位にシャルル・ルクレール(フェラーリ)が続く結果となった。

F1サーカスはこれよりサマーブレイクに入る。ザントフォールト・サーキットを舞台とする次戦オランダGPは8月25日のフリー走行1で幕を開ける。

F1ベルギーGP特集