アルファタウリ、角田裕毅の得点以上に「重要」な事があると指摘…後半戦に向けて光明か
角田裕毅が8戦ぶりに入賞を飾った7月30日(日)のF1第13戦ベルギーGP決勝を経てスクーデリア・アルファタウリのフランツ・トスト代表は、車体開発の方向性が正しい事が証明されたとして、これはポイント獲得以上の価値があると指摘した。
今年3番目に良い11番グリッドを手にした角田裕毅は、このチャンスを決して逃す事なく、3台を交わした1周目を含む序盤に印象的なオーバーテイクを連発。その後はタイヤマネジメントに取り組みポジションを守り、今季3度目の10位フィニッシュを果たした。
アルファタウリの指揮官は「我々は2台で戦略を分けることにした。ユーキにはミディアムコンパウンドを、ダニエルにはソフトタイヤを履かせた。ユーキは素晴らしいスタートを決めて8番手にポジションを上げ、かなり長い時間に渡ってこれを守り続けた」とスパでの44周のレースを振り返った。
「レース終盤に向けては、何台かのクルマがピットストップを延期してステイアウトし、雨が降るのを待っていたようだ」
「ユーキは一時は6番手につけていたが、もちろん他のクルマの方が速かったため、追い抜かれるのは時間の問題だった」
「最終的にユーキは10位でフィニッシュし、チームにとって非常に重要な1ポイントを持ち帰ってくれた」
「更に重要なのはエアロの開発が正しい方向に進んでいる事が示されたということだ。ビスターのメンバーが良い仕事をしている証拠だ」
「全般的にチームは本当にいい仕事をしてくれた。長い間、ポイントから遠ざかっていたため本当に満足している。今後に向けて更にパフォーマンスを引き出せるはずだ。シーズン後半戦が楽しみだ」
2024年型マシンの開発にリソースがシフトされていく中、アルファタウリはサマーブレイク明けの後半戦にもアップグレードを持ち込む計画だ。
テクニカル・ディレクターを務めるジョディ・エギントンは「我々が望むクルマに仕上げるためにはまだやるべきことが残っているが、更なるアップデートを予定しているし、ファエンツァ、ビスター、トラックサイドの誰もがクルマの開発と競争力向上のために懸命にプッシュし続けている」と説明した。
同じAT04を駆るダニエル・リカルドは19番手グリッドからレースをスタートし、角田裕毅から23秒遅れの16位でヘルメットを脱いだ。
復帰2戦目のリカルドについてトストは「昨日のスプリントでポイント獲得に迫る素晴らしいパフォーマンスを見せていただけに残念だが、ダニエルの方は金曜日の予選で、ターン4でのトラック・リミットが原因でラップタイムが抹消されたため、今日はグリッド最後尾からのスタートとなった」と語った。
「今日のような後方からのスタートは本当に難しい。オーバーテイクするのがかなり厳しいからだ」
「我々のクルマはまだダウンフォースが不足しているが、もっとクルマやタイヤに慣れればダニエルはきっといい仕事をしてくれるだろう」
7月30日(日)にスパ・フランコルシャンで行われた2023年F1第13戦ベルギーGP決勝レースでは、6番グリッドからスタートしたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が8連勝を達成。2位にチームメイトのセルジオ・ペレスが、3位にシャルル・ルクレール(フェラーリ)が続く結果となった。
F1サーカスはこれよりサマーブレイクに入る。ザントフォールト・サーキットを舞台とする次戦オランダGPは8月25日のフリー走行1で幕を開ける。