今季初PPはルクレール「良い気分だ!」フェルスタッペンはQ3で失速 僅かに及ばず / F1バーレーンGP《予選》結果とダイジェスト
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2022シーズンの幕開けを告げるFIA-F1世界選手権第1戦バーレーンGPの公式予選が3月19日にバーレーン・インターナショナル・サーキットで行われ、シャルル・ルクレールが1分30秒558をマーク。昨年のアゼルバイジャンGP以来となるポールポジションを獲得した。
タイトル防衛を目指すレッドブルのマックス・フェルスタッペンは0.123秒及ばず2番手。3番手にはカルロス・サインツ、4番手にはセルジオ・ペレスが続き、トップ4はレッドブルとフェラーリが支配する結果となった。
「良い気分だ!」とルクレール。
「過去2年間はチームにとって本当に大変な時期だった。今日はチームとして非常に上手くやれたと思うし本当に満足だ。自分のドライビングには完全に満足してないけど、ポールからスタートできるし本当に嬉しいよ」
ヘルメットを脱いだフェルスタッペンの表情は暗く「Q2は良かったけどQ3はバランスを取るのに苦労した。ちょっと浮き沈みがあったように思う」と語った。
「とは言え何よりも重要なのは僕らには良いレースカーがあるって事だ。次回はもっと上手くやれるようにしたいね。カルロスやシャルルとの僅差のバトルは楽しかった。良いレースができる事を願うよ」
テクニカル・レギュレーションが刷新されて最初の予選であったにも関わらず、トップ3は僅かコンマ1秒の間に収まる大接戦を演じた。
油圧系統のトラブルで直前のFP3を全く走れなかった角田裕毅は、16番手に留まりQ1敗退と、厳しい結果に終わった。アルファタウリのチームメイト、ピエール・ガスリーは苦しみながらもQ3へと駒を進めて10番手を確保した。
コンストラクターズ選手権9連覇を目指すメルセデス勢はポール争いの蚊帳の外だった。ルイス・ハミルトンは0.680秒遅れの5番手、ジョージ・ラッセルは9番手に留まった。
ハミルトンに迫ったのは昨年までの僚友、アルファロメオへと移籍したバルテリ・ボッタスだった。ハースのケビン・マグヌッセンはパワステに問題が抱えながらも見事な7番手タイムを叩き出し、アルピーヌのフェルナンド・アロンソを8番手に従えた。
FP3に引き続き現地サクヒールは晴れ、決勝のスタートグリッドを決する争いは気温19.5℃、路面26℃、湿度59%、気圧1013.7hPaのドライコンディションでQ1開始を迎えた。
公式タイヤサプライヤーのピレリは、ハード(白色)にC1、ミディアム(黄色)にC2、ソフト(赤色)にC3コンパウンドを投入。Q3進出者に追加提供されるコンパウンドはソフトタイヤが指定された。
予選Q1:角田裕毅が脱落
エントリーした全20台で争われる予選第一ラウンドのQ1は路面の進化が激しく、次から次へとタイムシートの並びが入れ替わる忙しないセッションとなった。
1セット目の怒涛のアタック合戦を終えてルクレールが暫定トップに立ち、サインツ、フェルスタッペンがこれに続いた。アストンマーチン勢とマクラーレン勢に角田裕毅とニコラス・ラティフィを加えた5名がノックアウト・ゾーンに沈んだ。
角田裕毅は自己ベストを縮めるも及ばず16番手で敗退を喫した。スーパーサブのニコ・ヒュルケンベルグも17番手でノックアウトを喫したが、驚くべきことにアストンマーチンのチームメイト、ランス・ストロールを0.255秒上回って見せた。
コロナ感染でテストを3日間欠席したマクラーレンのダニエル・リカルドは18番手。最下位はウィリアムズのニコラス・ラティフィという結果だった。
Pos | Driver | Team | Time | Gap | Laps |
---|---|---|---|---|---|
1 | ルクレール | フェラーリ | 1:31.471 | 3 | |
2 | サインツ | フェラーリ | 1:31.567 | + 0.096 | 3 |
3 | フェルスタッペン | レッドブル | 1:31.785 | + 0.314 | 5 |
4 | ボッタス | アルファロメオ | 1:31.919 | + 0.448 | 6 |
5 | マグヌッセン | ハース | 1:31.955 | + 0.484 | 6 |
6 | オコン | アルピーヌ | 1:32.041 | + 0.570 | 6 |
7 | ガスリー | アルファタウリ | 1:32.096 | + 0.625 | 9 |
8 | ノリス | マクラーレン | 1:32.239 | + 0.768 | 8 |
9 | ラッセル | メルセデス | 1:32.269 | + 0.798 | 5 |
10 | ハミルトン | メルセデス | 1:32.285 | + 0.814 | 5 |
11 | ペレス | レッドブル | 1:32.311 | + 0.840 | 6 |
12 | アロンソ | アルピーヌ | 1:32.346 | + 0.875 | 5 |
13 | シューマッハ | ハース | 1:32.380 | + 0.909 | 6 |
14 | 周冠宇 | アルファロメオ | 1:32.493 | + 1.022 | 6 |
15 | アルボン | ウィリアムズ | 1:32.726 | + 1.255 | 8 |
16 | 角田裕毅 | アルファタウリ | 1:32.750 | + 1.279 | 8 |
17 | ヒュルケンベルグ | アストンマーチン | 1:32.777 | + 1.306 | 6 |
18 | リカルド | マクラーレン | 1:32.945 | + 1.474 | 8 |
19 | ストロール | アストンマーチン | 1:33.032 | + 1.561 | 6 |
20 | ラティフィ | ウィリアムズ | 1:33.634 | + 2.163 | 8 |
予選Q2:マクラーレン、姿を消す
今季はQ2突破タイムを刻んだ際のタイヤをスタートタイヤにしなければならないというルールが撤廃されたため、全車がソフトタイヤを履いてコースに向かった。
1セット目を終えて暫定トップに立ったのはフェルスタッペン。これにルクレールとペレスがコンマ6秒落ちで続いた。なお暫定4番手をマークしたマグヌッセンは油圧系統に問題があるとの報告を受け、ガレージに戻った。
ノックアウト・ゾーンにはミック・シューマッハ、ランド・ノリス、ガスリー、周冠宇、アレックス・アルボンが並んだ。
アルピーヌはアロンソがQ3に進んだ一方、エステバン・オコンは11番手で敗退した。10番手突破のボッタスとは1000分の96秒という僅差だった。
マグヌッセンが好タイムを刻んだ一方、シューマッハはチームメイトから0.537秒遅れの12番手でクルマを降りた。アルボンは14番手、周冠宇は15番手でそれぞれ予選を終えた。アルボンの顔には笑みがあった。
トップ3に次ぐ4番目のチームと目されていたマクラーレンはノリスが13番手でノックアウトとなり、Q3を前に2台共が姿を消した。
Pos | Driver | Team | Time | Gap | Laps |
---|---|---|---|---|---|
1 | フェルスタッペン | レッドブル | 1:30.757 | 8 | |
2 | サインツ | フェラーリ | 1:30.787 | + 0.030 | 9 |
3 | ルクレール | フェラーリ | 1:30.932 | + 0.175 | 9 |
4 | ペレス | レッドブル | 1:31.008 | + 0.251 | 12 |
5 | ハミルトン | メルセデス | 1:31.048 | + 0.291 | 11 |
6 | ラッセル | メルセデス | 1:31.252 | + 0.495 | 11 |
7 | マグヌッセン | ハース | 1:31.461 | + 0.704 | 9 |
8 | アロンソ | アルピーヌ | 1:31.621 | + 0.864 | 11 |
9 | ガスリー | アルファタウリ | 1:31.635 | + 0.878 | 15 |
10 | ボッタス | アルファロメオ | 1:31.717 | + 0.960 | 12 |
11 | オコン | アルピーヌ | 1:31.782 | + 1.025 | 12 |
12 | シューマッハ | ハース | 1:31.998 | + 1.241 | 11 |
13 | ノリス | マクラーレン | 1:32.008 | + 1.251 | 14 |
14 | アルボン | ウィリアムズ | 1:32.664 | + 1.907 | 13 |
15 | 周冠宇 | アルファロメオ | 1:33.543 | + 2.786 | 12 |
16 | 角田裕毅 | アルファタウリ | 1:32.750 | 8 | |
17 | ヒュルケンベルグ | アストンマーチン | 1:32.777 | 6 | |
18 | リカルド | マクラーレン | 1:32.945 | 8 | |
19 | ストロール | アストンマーチン | 1:33.032 | 6 | |
20 | ラティフィ | ウィリアムズ | 1:33.634 | 8 |
予選Q3:ルクレールが今季初のポールシッターに
メルセデス勢が先陣を切ってコースイン。1セット目を終えてサインツが暫定トップに立ち、フェラーリが1-2体制を築いた。フェルスタッペンは1000分の56秒遅れの3番手に並んだ。
ハースはQ3最後のアタックに向けて油圧の問題を修正し、マグヌッセンを何とかコースに送り出した。
2セット目のアタックに出たルクレールは自己ベストを更新し、チームメイトを押しのけポールについた。フェルスタッペンもタイムを改善したが惜しくも及ばなかった。
2022年 F1バーレーングランプリ決勝レースは、日本時間3月20日(日)24時にスタート。1周5412mのバーレーン・インターナショナル・サーキットを57周する事でチャンピオンシップを争う。
2022年F1第1戦バーレーンGP予選リザルト
Pos | No | Driver | Team | Q1 | Q2 | Q3 | Laps |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 16 | ルクレール | フェラーリ | 1:31.471 | 1:30.932 | 1:30.558 | 15 |
2 | 1 | フェルスタッペン | レッドブル | 1:31.785 | 1:30.757 | 1:30.681 | 14 |
3 | 55 | サインツ | フェラーリ | 1:31.567 | 1:30.787 | 1:30.687 | 15 |
4 | 11 | ペレス | レッドブル | 1:32.311 | 1:31.008 | 1:30.921 | 18 |
5 | 44 | ハミルトン | メルセデス | 1:32.285 | 1:31.048 | 1:31.238 | 17 |
6 | 77 | ボッタス | アルファロメオ | 1:31.919 | 1:31.717 | 1:31.560 | 15 |
7 | 20 | マグヌッセン | ハース | 1:31.955 | 1:31.461 | 1:31.808 | 12 |
8 | 14 | アロンソ | アルピーヌ | 1:32.346 | 1:31.621 | 1:32.195 | 14 |
9 | 63 | ラッセル | メルセデス | 1:32.269 | 1:31.252 | 1:32.216 | 17 |
10 | 10 | ガスリー | アルファタウリ | 1:32.096 | 1:31.635 | 1:32.338 | 21 |
11 | 31 | オコン | アルピーヌ | 1:32.041 | 1:31.782 | 12 | |
12 | 47 | シューマッハ | ハース | 1:32.380 | 1:31.998 | 11 | |
13 | 4 | ノリス | マクラーレン | 1:32.239 | 1:32.008 | 14 | |
14 | 23 | アルボン | ウィリアムズ | 1:32.726 | 1:32.664 | 13 | |
15 | 24 | 周冠宇 | アルファロメオ | 1:32.493 | 1:33.543 | 12 | |
16 | 22 | 角田裕毅 | アルファタウリ | 1:32.750 | 8 | ||
17 | 27 | ヒュルケンベルグ | アストンマーチン | 1:32.777 | 6 | ||
18 | 3 | リカルド | マクラーレン | 1:32.945 | 8 | ||
19 | 18 | ストロール | アストンマーチン | 1:33.032 | 6 | ||
20 | 6 | ラティフィ | ウィリアムズ | 1:33.634 | 8 |
コンディション
天気 | 晴れ |
---|---|
気温 | 19.5℃ |
路面温度 | 26℃ |
セッション概要
グランプリ名 | F1バーレーンGP |
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セッション種別 | 予選 |
セッション開始日時 |
サーキット
名称 | バーレーン・インターナショナル・サーキット |
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設立 | 2004年 |
全長 | 5412m |
コーナー数 | 15 |
周回方向 | 時計回り |