ホンダF1の田辺豊治テクニカルディレクターと副テクニカルディレクターを務める本橋正充
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ホンダF1、バーレーンGPに向けてPU開発を加速「予選・決勝共にメルセデスに負けている」

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2019年F1第2戦バーレーンGPを直前に控え、ホンダF1の現場統括責任者を務める田辺豊治テクニカル・ディレクターは「予選・決勝共にメルセデスに遅れを取っている事は明らか」であり、2チーム4台体制のメリットを活かし、シーズンを通してパワーユニット開発を加速させていく事が必要だとの認識を示した。

「レッドブル・ホンダ」として挑んだ初戦メルボルンでのレースでは、マックス・フェルスタッペンがコース上でフェラーリを抜き去り3位表彰台を獲得。ホンダとしては11年ぶりのポディウムという、有望な結果で新たな旅路をスタートさせた。

だが、グリッド争いの公式予選では、ポールポジションのルイス・ハミルトンに0.834秒差。決勝では、そのハミルトンを執拗に追い回すペースを示したものの、ハミルトンのフロアはダメージを負っていた。ホンダ現地メンバーは、開幕戦が終わるや否や、栃木県のHRD Sakuraと英国ミルトン・キーンズのファクトリーに飛び、バーレーン・インターナショナル・サーキットでの第2戦に備えてエンジン開発作業に取り組んだ。

「シーズン開幕戦となったオーストラリアで3位フィニッシュ出来た事は明るいニュースでしたし、我々ホンダにとっては2008年以来の表彰台でした」と田辺TD。結果については一定の満足感を示したものの、メルセデスとのタイム差は依然として大きいとの考えを明らかにした。

「しかしながら、優勝したチームとのパフォーマンス差は明らかであり、予選・決勝共にギャップをつけられてしまいました。そのため、メルボルンで4台のマシンが収集したデータの詳細な解析と、今週末及び今後のレースに向けてのパワーユニット開発を進めるべく、出来る限り早く英国と日本のファクトリーへと戻りました」

3月29日に開幕を迎えるバーレーンGPの舞台は、4本のロングストレートを持つストップ・アンド・ゴー型の常設サーキット。F1マシンは1周およそ1分30秒強で駆け抜けるが、その内の60秒近くがエンジン全開というタフなトラックだ。それ故に馬力の高さが要求されるものの、田辺のTDはシャシー側のパフォーマンスも必要だと説明する。

「ここのコースはストップ・アンド・ゴー的なストリートコースのオーストラリアと比べて、より一般的なパーマネントサーキットの特徴を持っています。サクヒールのトラックもかなり長いストレートがありますので、週末の終わりまでに、パワーユニットとクルマを合わせたパッケージ全体の能力とポテンシャルを上手く引き出す方法を見つけ出さなくてはなりません」

「昨年のレースでは、トロ・ロッソのガスリーが4位入賞を果たし、シーズン最高位をもたらしてくれましたので、我々はバーレーンに良い思い出があります。今年はここで更に良いリザルトを達成したいと思っていますし、そのためにオーストラリアでのポジティブな勢いを続けるべく、全力で作業に取り組んでいくつもりです」

田辺TDが語る通り、ガスリーはこのコースを得意としているが、フェルスタッペンは過去4回のレースの内3回がリタイヤに終わっており、スクーデリア・トロロッソ時代の2016年に達成した6位が最高位。レッドブル・ホンダは開幕戦を上回る成績(2位か優勝)を挙げられるだろうか? F1バーレーンGPは、日本時間2019年3月29日(金)20時からのフリー走行1で幕を開ける。

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