レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表とデイビッド・ベッカム、F1バーレンGPにて
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ルノーF1エンジン一斉故障…ホンダにスイッチしたレッドブルが痛烈な皮肉をお見舞い

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エンジンの信頼性不足のために、チェッカー直前に2台のマシンを失いダブルポイントのチャンスを棒に振ったルノー勢。エンストンのチームにとっては悪夢でも、レッドブルのクリスチャン・ホーナーにとっては皮肉の対象でしかなかったようだ。

レッドブルは昨年末を以てルノーとのパートナーシップを破棄。”長年の夢”を遂に実現させ、今季よりホンダ製F1パワーユニットを搭載している。V8時代の栄光はどこそこに、今やホーナーとシリル・アビテブールは犬猿の仲であり、2015年以降の両者の関係はゴシップのネタであった。

バーレーンでの決勝を振り返ったホーナー代表は「ルノー勢のエンジンブローによるリタイヤは、我々がポディウムに上がる手助けにはならなかった」と語り、思わず笑みがこぼれた。「皮肉なものだ。クルマに搭載していようがいまいが役に立たないなんて」

ラップリーダーのシャルル・ルクレールが燃焼異常のトラブルによってパワーダウンに見舞われた事で、4番手を走行していたマックス・フェルスタッペンにチャンスが到来。シルバーアローの2台に交わされ、力なく周回を続けるSF90まで2秒差に迫った最終盤、ワークスルノーの2台が一斉に音を上げた。

これによってセーフティーカーが出動。追い抜き禁止状態のままチェッカーフラッグが振られたため、フェルスタッペンはルクレールを交わせずに表彰台圏外でフィニッシュする事となった。

ダニエル・リカルドの方はMGU-Kのトラブル、ニコ・ヒュルケンベルグの方は明らかにされていないが、アブテブール代表はパワーユニット関連だと認めている。ルノーが高い信頼性を発揮してさえいれば、フェルスタッペンの2戦連続のポディウムは確実であっただけに、一方にとっては悲劇でも、もう一方にとっては喜劇でしかなかった。

この日のレッドブルのガレージには大物が訪問。チェッカーフラッグを担当した英国サッカー界の英雄、デイビッド・ベッカムが訪れた。スパイス・ガールズの妻を持つ者同士、会話が弾んだであろうことは想像に難くない。上機嫌なくして痛烈な皮肉も生まれまい。

とは言え、ルノーを笑い者に出来るほど、今週末のRB15に強力なパフォーマンスはなかった。レッドブル・ホンダは週末を通してソフト側のコンパウンドをワーキングレンジに入れる事が出来ず、リアのグリップ不足に苦しみ続けた。

「今日は風が非常に強く、タフなレースだった」とホーナー代表。「今週末はずっと、タイヤを作動温度領域に入れ込めず苦労し続けており、レース中も同じチャレンジを強いられた。それでも、マックスがターン1で見事にリカバリーし、全力でレースを戦ってくれた。だが、今日の我々にはメルセデスやフェラーリに太刀打ち出来るほどのペースはなかった」

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