最年長ライコネン、”マンホール事件”を振り返り「素人のよう」とFIAを痛烈批判
グリッド最年長の大ベテランであるキミ・ライコネンは、マンホールの固定不足によって、走行わずか12分に終わったアゼルバイジャンGPのFP1を振り返り「素人のようだった」とコメント。FIA国際自動車連盟の仕事ぶりを痛烈に批判した。
強烈なダウンフォースを発するF1マシンは、路面との間に強大な負圧を発生させるため、モナコやバクーのような一般道を使ったレースの際は、排水口やマンホールの蓋等、路面に設置されているあらゆる付属物を溶接などの手段によって固定させる処置が必要となる。
バクーではマンホールの固定方法として3本のボルトを用いられたが、320近くある中の一つに取り付けミスがあったようで、ジョージ・ラッセル(ウィリアムズ)のマシンが被害を受けた。この結果、FW42のモノコックはダメージを負い、ラッセルはFP2欠場を強いられた。だが影響はこれにとどまらず、安全確認のために午前のセッションの98%が失われた。
被害者となった格好のウィリアムズのクレア副代表は「我々がこのような事態を望んでいない事は明らかですし、そもそもF1が開催されるトラックで起こって良いアクシデントでもありません」と憤りをあらわにした。
今年40歳を迎えるフィンランド人ドライバーは、徹底的なコース管理はFIAの責務だとして、管理者として為すべき仕事をこなさなかった運営組織を「アマチュア」という言葉を使って非難した。
「今日という日が、誰にとっても理想からかけ離れたものだった事は明らかだ」とライコネン。「今日の僕らはまるでアマチュアのように映ったことだろう」
「決して起こってはならない事だった。トラックがあるべき状態になっている事を確認するのはFIAの責任だ。毎年のように、排水口が緩んだりするアクシデントが起こっているように思う。チェックするのは彼らの責務だし、コースを整えるのも彼らの責任だ」
「誰も怪我をしなかったのは幸いだけど、全員の一日を台無しにしたのは明らかだ。見に来てくれたファンにとっても理想とは程遠い一日になった」
この問題は、金曜日夜のドライバーブリーフィングで課題として提起される可能性がある。ライコネンは「こういうアクシデントが起きたのは今回が初めてではない。これが最後になる事を願うよ」と付け加えた。
悪いニュースは更に重なるもので、ラッセルのマシンをピットへと搬送していたトラックが橋架に接触してクラッシュ。クレーンが破損した事でオイルが漏れ出し、壊れたFW42は油まみれとなった。
2017年のマレーシアGPではハースのロマン・グロージャンが同様の事故に見舞われ、チームはサーキット側に対して50万ポンドの損害賠償を請求。最終的な金額は公表されていないが、サーキット側が賠償金を支払う形で決着している。