ホンダF1の田辺豊治
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ホンダF1「突発的なPU調整作業が発生、予期せず走行時間をロスしてしまった」

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4月27日(金)のF1第4戦アゼルバイジャンGP初日を終えて、ホンダF1プロジェクトの現場を統括する田辺豊治テクニカル・ディレクターがセッションを振り返った。

舞台となるバクー市街地コースは、2kmにも及ぶ超ロングストレートが特徴の史上最速のストリートサーキット。低ドラッグ・最高速重視のスクーデリア・トロロッソのマシンとの相性は決して悪くはない。

事実、午前のFP1ではピエール・ガスリーが9番手、ブレンドン・ハートレーが12番手とトップ10圏内付近につけてみせた。だが、気温が大幅に低下したFP2では一変、タイヤを機能させることに苦労し、ショートランもロングランも芳しいタイムを残せなかった。

フロントタイヤを冷却してしまう超ロングストレートに加えて、低い外気温がこれに拍車をかけた。フロントタイヤとリアタイヤのバランスは崩壊、埃っぽく滑りやすいトラック路面はタイヤにグレイニングを発生させ、二人のラップタイムをスポイルした。

FP1ではガスリーのパワーユニットに問題が発生し、突発的な調整作業を強いられる場面もあった。市街地サーキットは些細なミスすら許されない程、シビアなドライビングが要求される。それだけに、ドライバー視点で言えば走行時間のロスはかなりの痛手だ。

とは言え問題は深刻なものではなく、計画されていたパワーユニット関連のプログラムは全て完了。明日以降に向けての貴重なデータを収集した。

F1アゼルバイジャンGP初日を終えて

田辺 豊治ホンダF1現場責任者

他のストリートサーキットと同じ様に、初日のバクーのトラックは埃っぽく、セッションはグリップレベルが低い状況でスタートしました。ただ、走行を重ねる度にトラックコンディションは徐々に改善されていきました。

午前のFP1では、ピエールのパワーユニットに調整が必要となってしまい、予定以上に多くの時間をガレージで過ごす事になってしまいました。ですが、全体としては予定していたパワーユニットのプログラムは殆どすべて消化でき、スムーズな一日となりました。


2018年F1アゼルバイジャンGP土曜のフリー走行は、日本時間28日(土)19時から、公式予選は同22時からバクー市街地コースで開催される。土曜は晴天と気温の上昇が予想されているものの、決勝の行われる日曜は気温も低く、強風が吹き荒れる予報となっている。

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