ソフトタイヤで雨のレッドブル・リンクを周回するランド・ノリス(マクラーレン)、2023年7月1日F1オーストリアGPスプリント・シュートアウト
Courtesy Of McLaren

ランド・ノリス、アンチストール作動…数百mで7ポジダウンの大転落。2列目の利を活かせず無得点

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ランド・ノリス(マクラーレン)は2列目3番グリッドから2023 F1第10戦オーストリアGPスプリントに臨んだものの、オープニングラップの僅か数百mの間に7ポジションダウンの10番手にまで転げ落ちた。

マクラーレンは新型フロアやサイドポッドを含む大規模アップグレードを1台分持ち込んだ。ノリスの改良型MCL60はレッドブル・リンクで中団から抜きん出た速さを発揮。予選では4番手、シュートアウトでは3番手を刻んだ。

だがポイントが付与される肝心のスプリントではターン3で失速。チームメイトバトルを繰り広げたレッドブル勢にコースを塞がれ行き場を失った事が影響したかに思われたが、そうではなかった。

「タフなレースだった。ターン3で問題が発生したんだ。アンチストールに入ってしまい、残念な事にポジションを7つ失ってしまった」とノリスは説明した。

エンジンのストールを防ぐために自動的にニュートラルに入ったため加速できず、ノリスはただただ、ライバルが自身をオーバーテイクしていく様を眺める他になかった。

それでもレースに復帰した後は果敢に戦い、一時はポイント圏内7番手にまで巻き返した。シャルル・ルクレール(フェラーリ)とのバトルは見ごたえのあるものだった。

しかしながら、ライバルがインターミディエイトからスリックタイヤに履き替える中、マクラーレンはステイアウトを指示。すり減ったインターでチェッカーを目指したノリスだが、終盤にニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)とジョージ・ラッセル(メルセデス)に交わされ9位でレースを終えた。

チームの戦略についてノリスは「ステイアウトの決定には満足してる」と述べ、4番グリッドからのスタートとなる日曜の本戦で「全力を尽くすよ」と挽回を誓った。

現実にはそうならなかったが、仮にセーフティーカー(SC)が導入されていればノリスを含むステイアウト組がアドバンテージを得た事だろう。

なおマクラーレンは決勝レースを前に、前戦カナダGPのペナルティ見直しを求めて公聴会に臨むことになる。


2023年F1オーストリアGPスプリントではマックス・フェルスタッペン(レッドブル)がポール・トゥ・ウインを飾り、僚友セルジオ・ペレスが2位、カルロス・サインツ(フェラーリ)が3位に続く結果となった。

決勝レースは日本時間7月2日(日)22時にフォーメーションラップが開始され、1周4318mのレッドブル・リンクを71周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNフジテレビNEXTで生配信・生中継される。

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