アルボン、尽くピットイン好機を無視し続ける奇策で予選失格からの逆転入賞「鮮やか」と称賛するウィリアムズ
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クラッシュやペナルティが相次ぎ、過去3戦の予選でのQ2進出は僅か1回という絶望的な状況に甘んじ続けていたウィリアムズは、F1第3戦オーストラリアGPで奇策を披露。セーフティーカー導入によるピットインの好機を尽く無視し続ける事でアレックス・アルボンが10位入賞を果たした。
アルボンは予選で16番手タイムを残したものの、燃料サンプル違反に伴い失格処分を受けた。その結果レースを最後尾からスタートしなければならなかったものの、58周のレースにおいてハードタイヤでの第1スティントをなんと57周まで引っ張るというユニークな戦略を成功させ、F1復帰後初のポイントを獲得した。
チームとしての英断もさる事ながら、タイヤを見事にケアし続けたアルボンのタイヤマネジメントなくして入賞はなかった。車両パフォーマンス部門を率いるデイブ・ロブソンは「アレックスの今日の走りは鮮やかだった。プライムタイヤにスイートスポットを見出してくれた」と称賛した。
「これにより好ペースを得ただけでなく、ライバル達と比べてデグラデーションも極めて少なかった。彼は本当に長いスティントをこなし、我々はセーフティカーが導入された際のピットインのチャンスを何度も無視した。可能な限り多くのゲインを維持するために何かが起きる事を願ってね」
「結局、後続車はデグラデーションに苦しみ、ここはオーバーテイクが難しい事もあって、我々は最後にピットストップのための十分なギャップを作り出す事に成功した」
「大きなプレッシャーが掛かる中、ピットクルーも本当に素晴らしい仕事をやってのけた。アレックスはアウトラップで十分な速さを発揮して10位を確保した。前日までの2日間の浮き沈みを経て、チーム全体にとってこの上なく素晴らしい結果になった」
アルボンはチームの期待に沿う走りができた事に心から満足しているようだ。
「今日の結果には本当に満足だよ」とアルボン。「今朝サーキットに来て、最後尾からレースをスタートする事を知って凄く悲しい気持ちになっただけに、ポイント獲得で週末を締め括ることができて本当に報われた気分だ」
「今日はリスクを取ったレースだった。タイヤをウィンドウに入れると、その後は兎に角、どんどん感触が良くなっていった。レース終盤の25周は、まるで予選を走り続けているような感じだったよ!」
「ファクトリーやサーキットで行われてきた努力が実ったレースだと思うし、チームの決意とモチベーションの賜物だ。最高の1日になった。チームのために自分の役割を果たせたことが本当に嬉しい」