角田裕毅「ちょっとしたカオス」新型フロア破損のスピンはGPS障害が起因
Published:
3月31日(金)のF1第3戦オーストラリアGPの1回目のフリー走行で発生したスピンについて角田裕毅(アルファタウリ)は、GPS障害に伴うトラフィックの影響でタイヤが冷えていた事でグリップを失ったのが起因と説明した。
FP1開始30分を過ぎたところでロックアップを喫した角田裕毅は、高速のままターン1を飛び出し、芝生とグラベルを激しく飛び跳ねた。ウォールとの接触は回避したものの、その後コースインすることはなく17番手でセッションを終えた。
スピンについて問われた角田裕毅は「本当に酷いトラフィックで、ちょっとしたカオスでした」と説明した。
「原因はGPSの障害だと思います。トラフィックのせいで最終セクターで大幅に減速してしまい、クイックラップに向けてタイヤの熱入れが不十分でコースアウトしてしまいました」
「兎に角、グリップがなくて。そういうことです」
チーフ・レースエンジニアを務めるジョナサン・エドルズはアウト側の縁石に衝突した事でフロアが破損していた事を明かし、修復が間に合わなかったためにコースに復帰できなかったのだと説明した。
AT04の局所的ダウンフォースを引き上げるべくアルファタウリは、アルバート・パーク・サーキットにアップグレードを持ち込んでいた。
フロアボディとフロアエッジの形状は変更され、フロアフェンスのリーディングエッジもアップデートされた。更に、リアタイヤからの後流の影響低減を狙ってディフューザー上部と側部の接合部分の曲率を変更した。
映像を見る限り、破損したフロアはアップグレード仕様のものだった。
チームはFP2に向けてクルマの修復に取り組み、スピンとの因果関係は不明ながらもギアボックスを交換した。年間4基に制限される中、GBX C&C(ケース及びカセット)およびGBX DL(駆動系、ギアチェンジ、補助コンポーネント)は2基目に達した。
失われた時間を埋め合わせるべく、FP2では精力的に周回。角田裕毅は18周を重ねて11番手タイムをマークし、昨年までのチームメイト、ピエール・ガスリー(アルピーヌ)に1000分の14秒と迫った。
「FP2のパフォーマンスにはかなり満足しています」と角田裕毅は語った。
「ライバルと比べて自分たちがどのような位置にいるのか正確には分かりませんが、明日に向けてチームとして何をすべきかに集中するつもりです」
「タイトな争いになると思いますが目標は予選Q3です。ですがまずはQ2を突破する必要があります」
「中団はタイトなので、僅かなミスでも高い代償を払うことになりますが、クルマは昨年より改善されているので、データを分析して明日に向けて何ができるか検討していきたいと思います」
F1オーストラリアGPの初日は2度の赤旗と雨の影響により、チーム・ドライバー双方にとって消化不良の1日となった。FP1ではマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、FP2ではフェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)がトップタイムを刻んだ。
3回目のフリー走行は日本時間4月1日(土)10時30分から、公式予選は同14時から1時間に渡ってアルバート・パーク・サーキットで開催される。セッションの模様はDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。