ドイツ・インゴルシュタットにあるアウディの本社ビル
Courtesy Of Audi

アウディF1に”スイス事情”を巡る規定変更の恩恵…人員大幅拡充へ

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独「auto motor und sport」によると、アウディがワークスチームとしてF1参戦を開始する2026年に向け、スイスフランで支払われる従業員への給与が特別調整される。

具体的には15万スイスフランの給与が、バジェットキャップ上では10万スイスフランとして計上される事になるという。

これより、国による経済状況の違い、イギリスとスイスとの間の給与格差がチーム運営に与える影響が緩和される事になる。

経済協力開発機構(OECD)によると、F1の大多数が本拠を構えるイギリスの平均賃金は5万3,985ドルだが、ザウバーのファクトリーがあるスイスは7万2,993ドルと、1.35倍の開きがある(いずれも2022年)。ちなみに最も高いのはアイスランド(7万9,473ドル)で、日本は4万1,509ドルだ。

2026年F1ショーカーの前に立つアウディのオリバー・ホフマン総代表Courtesy Of Audi

2026年F1ショーカーの前に立つアウディのオリバー・ホフマン総代表

アウディとの戦略的提携が発表された後、ザウバーは従業員を550人から650人へと増やしているが、最終的には900人にまで拡充する計画だとされる。

今回の財務規定の変更は、ザウバーのアドレアス・ザイドル最高経営責任者(CEO)によるところが大きいようだ。

本ルール調整によりザイドル率いるスイス・ヒンウィルのチームは、車体開発の予算を削減する事なく、目標達成に向けて必要と見込む人員規模を確保する事が可能となる。

ただ、報道によると導入は2026年となる見通しで、”ザウバー時代”に規定調整の恩恵を受ける事はなさそうだ。

アウディはF1第2戦サウジアラビアGPの決勝前日の3月8日(金)、ザウバーの完全買収ならびに新体制を発表した。

なお現行ルールにおいては、チームが米ドル以外の表示通貨を使用する事を想定し、コストキャップやその他の財務報告における米ドルと表示通貨間の換算レートを定義している。