アストンマーチンF1、最新鋭の風洞とシミュレーター持つ新ファクトリーを起工…2022年後半以降の完成を予定
最新鋭の風洞設備とF1シミュレーターを備えるアストンマーチンF1チームの新たなファクトリーの建設が始まり、ローレンス・ストロール会長らが出席する中、起工式が行われた。工期は18ヶ月で、2022年後半~2023年前半の完成を予定する。
3棟からなる新たなファクトリー群は計3万7000平方メートルを誇り、F1イギリスGPの舞台、シルバーストン・サーキットの向かいに建設される。設計はリッジ・アンド・パートナーズLLPが担当した。
1棟目には設計、製造、マーケティング部門が置かれ、2棟目には最新鋭の風洞が設置される。3棟目、つまりジョーダン・グランプリが1991年にF1に参戦して以来、使われ続けてきた現行のファクトリーは、スタッフ用のアメニティや物流センターを備えたセントラルハブとして再開発される。
施設や機械のアップグレードや拡張に加えて、最新鋭の風洞とF1シミュレーターも導入される。風洞はスチールベルト式ローリング・ロードシステムとフローイメージング・セクションエリアを採用。2023年第3四半期に試運転が予定されている。
なお、クラウドを介して各種インフォメーションやモニタリングシステム、製造プロセスが連携するようデザインされているとの事で、チームは「F1史上初のスマートファクトリー」と呼んでいる。
CEO兼チーム代表のオトマー・サフナウアーはファクトリー新設の理由について「既存のファクトリーはF1の歴史を語る上で欠かせないものだが、今の組織にとってはもはや手狭であり、加えて今後数年間で従業員数を増やしていくために更に広大なスペースが求められている」と説明した。
イギリスでF1のファクトリーが建設されるのは、2004年に正式オープンしたウォーキングのマクラーレン・テクノロジー・センター以来となる。