フェラーリ代表アリバベーネ、技術責任者ビノットの離脱報道は「フェイクニュース」
スクーデリア・フェラーリを率いるマウリツィオ・アリバベーネ代表は、同チームの技術責任者を務めるマッティア・ビノットがチームを離脱するとの報道は根拠のない「フェイクニュース」だと主張。チームを去る者は誰もいないと述べた。
ジェームズ・アリソンのメルセデス移籍に伴い最高技術責任者へと昇格したビノットは、今年のスクーデリアの躍進を舞台裏で支えているキーマンの一人。跳馬は2018シーズン、1.6リッターV6ハイブリッドターボ導入以来初めて、メルセデスに匹敵するパフォーマンスを示している。ビノットは1995年の入社以降、一貫してフェラーリのエンジン部門に関わり続け開発に貢献してきた。
「まず最初に明確にしておきたい」とアリバベーネ。「マッティアに関する噂はフェイクニュースだ。チームを不安定な状態に陥れようとするものだ」
「実際には何も問題がないにもかかわらず、問題があるかのように企てようとしている。誤った噂についてはこれ以上コメントする気はない」
フェラーリの今季マシン「SF71H」はメルセデス「W09」を凌駕する性能を秘めていたものの、チームオペレーションの失策もあって、ドライバーズタイトルは今年もまた、ライバルであるルイス・ハミルトンに奪われる事となった。
技術面での素晴らしい仕事がありつつも数々のチャンスを逃した事について、ビノットはアリバベーネの責任を追求。イタリアメディアの報道によれば、ビノットは新しくフェラーリのCEOに就任したルイス・カミッレーリに直談判し、自身かアリバベーネのどちらか一方のクビを切るよう迫ったとされる。
チーム内不和に目をつけたライバルチームの中には、ビノットの獲得を狙っている者もあるとされ、そのリストにはメルセデスやルノーといったワークスチームの名が上がっている。長年マラネロに在籍しチームの中心的な役割を担ってきたビノットを迎え入れることは、自チームの戦力増強だけでなく、フェラーリの弱点を探る上でも有効な人事策と言える。