アンドレッティ、F1参戦に前進…FIAが年明け早々に門戸を開く
国際自動車連盟(FIA)は態度を一変し、F1への新規参戦を希望するチームに門戸を開いた。これはアンドレッティ・グローバルを含む潜在的な候補者にとって大きな前進と言える。
モハメド・ベン・スレイエムFIA会長は年明け早々の1月2日(月)、SNSを通して次のメッセージを投稿し、新たなチームがグリッドに加わるための手続きを開始する事について組織内で検討を進めている事を明らかにした。
「FIAチームに対し、FIA-F1世界選手権の新たなチーム候補のための関心表明プロセスの開始を検討するよう依頼した」
「関心表明プロセス」の具体的な内容は不明だが、おそらくは新規のF1参戦を検討しているチームや組織、企業からの応募を受け付け、その各々を主に財政的、技術的な観点から審査するための手続きだと思われる。
最後に大規模な審査手続きが行われたのは2010年の事だった。15の応募者のうち3チームが参戦を果たしたものの、7シーズン以内にそのすべてが姿を消した。F1における最後の新規参戦チームは2016年に初めてグリッドに着いたハースまで遡る必要がある。
将来的に実現するかどうかはさておき、これまで開かれていなかった門戸が開かれたという点でこれはマイケル・アンドレッティ率いるアンドレッティ・グローバルやパンテーラ・チーム・アジアを含む新規参戦希望チームにとって大きな前進だ。
昨年2月にアンドレッティが参戦計画を発表した際にFIAは「検討する立場にない」と述べ、新たなチームの参戦に消極的なスタンスを示していた。
既存のF1チームもまた、新チームの参戦に否定的だった。
コンコルド協定は新規チームに対する2億ドルの”参入障壁税”を設けている。これは既存チームに分配され、彼らにとっての利益となるものだが、パイが増えない限りチーム数の増加はコンストラクター選手権順位に応じて支払われる賞金の減少を意味する。
FIAが態度を一変させたのは、新たなチームの参入が既存チームを含むF1全体の利益に繋がる可能性があると判断したことの表れと言えそうだ。
ザウバー買収交渉の破談を経て11番目のエントリーとしての新規参戦を目指すアンドレッティ・グローバル率いるマイケル・アンドレッティは先月、計画前進の可能性を仄めかしていた。
アンドレッティは総額2,850億ドル超、約40兆円を運用する資産運用会社、グッゲンハイム・パートナーズを支援者につけ、インディアナポリスの新社屋起工を含めてプロジェクトを着々と前に進めている。