忠義を欠いたとしてピアストリを批判するアルピーヌ、アロンソの後任候補は4名
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オスカー・ピアストリが2023年のアルピーヌでのF1ドライブを否定した事を受け、チーム代表のオトマー・サフナウアーは忠義を欠く行為だとして批判した。また、フェルナンド・アロンソの後任候補を4名に絞り込んだ事を明かした。
2度のF1ワールドチャンピオンが2023年にアストンマーチンに移籍する事をプレスリリースで初めて知った英国エンストンのチームは、その後任にピアストリを起用すると発表するも、本人は「来年アルピーヌで走る事はない」と否定した。
マクラーレンは沈黙を保っているが、ピアストリはウォーキングのチームと既に契約を結んでいるものと見られており、ダニエル・リカルドの後任としてのF1デビューが取り沙汰されている。
アルピーヌと21歳のオーストラリア人ドライバーとの関係は、旧ルノー・スポール・アカデミー契約を結んだ2年半前の2020年に遡る。以降アルピーヌは多額の資金を投じてそのキャリアをサポートし続けてきた。それだけに裏切られたと感じるのも無理はない。
サウナウアーはスペインの「El Confidencial」とのインタビューの中で「彼のために文字通り何百万ユーロも投資してきたのだから、それなりの忠誠心があって然るべきだ」と不満をあらわにした。
「彼は面倒を見てくれたチーム、世界選手権へと導いてくれたチーム、そして何よりも、サーキットに対する準備のために昨年を通してF1マシンに乗せてくれたチームに対して忠義を示すべきた」
「私は1989年にF1でのキャリアをスタートさせたが、こんな事態はお目にかかった事がない。これはF1というよりも、人としての誠実さという話だ」
長年に渡る多額の投資を理由にサウナウアーは、仮にピアストリがチームを去った場合、損害賠償を求める可能性を除外しなかった。
「まずはオスカーとの法的な関係を確認してみよう。契約では、多額の投資によってF1までの彼のキャリアをサポートする、という内容になっている」
「何よりシングルシーターで3,500km走った昨年の件を考慮に入れる必要がある」
「彼とのテストは7回に及んだ。これは決して安いものではない。エンジンのコストだけで175万ユーロかかるんだ。これに加えてメカニックやテストチームの人件費、飛行機や旅費といったものが加わってくる」
「我々はピアストリの将来のために莫大な資金を費やしてきた。もしその将来が我々と一緒でないならば、補償を求めるのは論理的かつ公平なことだ」
アストンマーチンがアロンソの起用を発表した事を受け、チームは急遽弁護士に相談し、昨年11月に締結した契約に拘束力がある事を確認した上で、ピアストリ起用のプレスリリースを発行した。
サフナウアーは2023年にピアストリをレンタルという形でライバルチームからデビューさせる計画だったと認め、そのためにローラン・ロッシCEOが「懸命に取り組んできた」と明かした。
アルピーヌにとっての目下の課題はアロンソの後任選びだが、仮にピアストリがチームを離れる事が確定したとしても、過度に頭を悩ませる必要はなさそうだ。
「ピアストリとは契約を結んでいる。それが我々にとってどういう将来をもたらすのかを理解する必要はあるが、契約は拘束力あるものだと信じている。だから声明を発表したんだ」とサウナウアー。
「その上で、仮にピアストリがマシンに乗らないのであればフェルナンドの後任を探す事になる。私としては乗ることになると思っているがね」
「アルピーヌのシートは現在残っている中で最も高い価値ある。関心を持つ14名のドライバーから電話を貰っている」
「我々はワールドチャンピオンシップで4位につけているが、これを上回る成績を収めるための計画を立てている」
「我々には独自のパワーユニットと施設があるため、パフォーマンスを上げていく上でシャシーとエンジンを相互開発する事ができる」
「それに我々には850人に及ぶ優れたエンジニア達がいる。更なる向上を目指していく」
「ゆえに電話が鳴り響くのは当然だが、この14名のうち、最終的なリストに載るのは4名だ。この中にはピアストリも含まれている」