角田裕毅に真の試練? アルファタウリ、デ・フリースと2023年F1契約締結との報道
報道によるとスクーデリア・アルファタウリは、2023年の角田裕毅のチームメイトとしてニック・デ・フリースと契約したようだ。これが事実であれば、ピエール・ガスリーのアルピーヌ移籍への道が開かれる事になる。
虫垂炎により欠場を強いられたアレックス・アルボンの代役としてF1イタリアGPでデビュー入賞を飾ったデ・フリースは今夏のシリーシーズンの主役の1人だ。少なくとも3チームが交渉のテーブルについている事が明らかになっている。
現時点では何も公式発表はないが、フランスでF1中継を担当するCanal+はF1シンガポールGP開幕当日の9月30日、デ・フリースがアルファタウリと契約したと伝えた。
ガスリーのアルピーヌ移籍の前提条件は後任の確保だった。デ・フリースとの間で契約が成立したとなれば、2023年末までとなっているガスリーとレッドブルとの契約の早期解除が実現する事になる。
同様の報告はブラジル方面でも挙がっている。パドックでは、日本GPを前にした10月5日に発表が行われるとの噂も一部で飛んでいる。
ただ、事実と決めつけるのは時期尚早かもしれない。
レッドブル・レーシングのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコは契約が成立したかどうかについてORFに問われると「交渉はまだ続いている。鈴鹿ですべて明らかになると思う」と述べている。
と言え、この発言はあくまでも契約交渉が続いているとしているだけで、契約書へのサインは別にしろ基本合意を否定するものではなく、完全に荒唐無稽な噂話とも言い切れない。
デ・フリースのアルファタウリでの2023年フル参戦が現実のものとなるかどうかは分からないが、仮にそうなれば角田裕毅が大きな試練に立たされる事は間違いない。
チーム代表のフランツ・トストはこれまで、ルーキーには最低3年の経験が必要だと重ね重ね口にしてきた。角田裕毅は来年、言い訳が許されないF1での3シーズン目を迎える。
如何に印象的なデビュー入賞を見せつけたとは言え、そしてフォーミュラE王者であるとは言え、デ・フリースはガスリーとは異なり評価の確立されたベテランF1ドライバーではない。
仮にルーキー相手に敗北、あるいは同等のパフォーマンスを許した場合、角田裕毅に2024年の契約更新を提示するヘルムート・マルコら首脳陣の姿を想像するのは難しい。
アルファタウリのシートが埋まれば、2023年に向けて残るのはハースとウィリアムズの2席のみとなる。
ハースの候補はミック・シューマッハとニコ・ヒュルケンベルグの2択と見られている。ウィリアムズとしてはデ・フリースを逃すことになるため、スーパーライセンス次第でF2ドライバーのローガン・サージェントを昇格させる可能性がありそうだ。