スクーデリア・アルファタウリのテクニカル・ディレクターを務めるジョディ・エギントン
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アルファタウリ技術長エギントン 一問一答:AT03への自信、予算上限導入による恩恵や空力開発の余地とリスクを語る

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2月14日に発表されたスクーデリア・アルファタウリの2022年型F1マシン「AT03」に関して、テクニカル・ディレクターを務めるジョディ・エギントンが開発の進捗、期待と自信、空力レギュレーション改訂や予算上限の影響について説明した。

技術規定に歴史的大改訂が施された事で、チームは完全に白紙の状態からAT03の設計・開発を進めてきた。従来どおりレッドブル・アドバンスト・テクノロジーズからギヤボックスや油圧系、リヤサスペンションなど供給を受けるものの、先代からのキャリーオーバーは殆どない。

マシン開発はいつ頃スタートしたのでしょうか?

当初、新しいレギュレーションは2021年の導入が予定されていたため、作業自体はずいぶん前に始めていたのだが、パンデミックの影響を受けたため少し混乱に見舞われる事となった。

結局、コロナの影響で2020年は風洞開発を中止しなければならない事となり、再開したのは2021年1月1日の事だった。だが我々にとっては60%スケールの風洞実験設備への移行と重なったため、2022年のマシンに関しては60%スケールで再度、設計しなければならなかった。

その一方で、2021年のAT02ローンチスペックに関しては50%モデルで開発を進めていた。だが、2つの風洞設備を並行して稼働させる事が認められていないため、シーズン中に60%モデルへと移行する事となった。

当然、余計な作業が増えたわけだが、60%スケールに移行するという決定は以前に下された戦略的なものであったため、中期的な目標達成のために計画通りに実行する必要があった。

第1回テストを前に感じるのは不安でしょうか?自信でしょうか?それとも…

色んな人に同じ事を聞かれるよ! 我々は過去2~3年に渡って、仕事の進め方に関して改良を進めてきたのだが、今回のマシンはそれが反映されたものなんだ。

統計的に見ても、この間の結果から言っても、我々はプロセスの変更によってそれなりに成功しているわけで、現在の運営方法は正しい軌道に乗っていると言えるだろう。

だが、2022年に向けて全てが白紙であるという事は、潜在的な利益を得られる可能性があるという一方、失敗のリスクも伴う。故にそれほど単純な話ではないのだ。

マシンの開発速度は重要な指標ではあるものの、それよりも重要なのは競合相手と比較した場合の開発がどの程度進んでいるかという点だ。それを知るには手の内が明かされるシーズン最初のレースを待たなければならない。

コストキャップの成果が完全に現れるのは2023年シーズンかもしれませんが、すでにトップチームと同じ土俵に立っていると感じますか?

ある程度のレベルアップは期待できると思うよ!

確かにコストキャップが各チームの活動に完全に影響を与えるまでには、まだ少し時間がかかると思うけど、ビッグチームのように潤沢な予算がなかったチームにとっては間違いなくメリットがある。

それでも賢くお金を使わなければならない事に変わりはないけどね。

最大のルール変更は空力です。ウイングはシンプルに、フロアは更に重要になりました。ライバルに対して大きな差がつけられるような余地はあると思いますか?

エアロに関するレギュレーションが大幅に変更されたことで、新しいアイデアや新しい空力コンセプトを試す余地が増えた事は確かだが、その一方で間違った開発の道を歩むリスクも増大している。

各チームが空力に関する革新的なソリューションを考え出す余地は十分にあると思うし、エアロ開発の隠れたディティールが大きく影響するだろうとも考えている。

最初のテストではレギュレーションに対する様々な解釈が見られると思う。そしてこれを踏まえて各チームは、シーズン中にどう開発を進めていくかについて様々な議論を行い、そして調査する事になるだろう。

シャシー自体は、どのくらいレギュレーション変更の影響を受けるのでしょうか?

新しいレギュレーションでは、シャシー構造の大型化に伴う寸法変更など、クラッシュテストの要件が大幅に変更された。車体に関するホモロゲーション検査に関する変更は、安全性を更に向上させるものとして当然歓迎すべきものではあるが、構造を最適化しながら車重の増加やエアロダイナミクス開発への影響を最小限に抑えるのは本当に大変だった。

だが、2022年のシャシーに関する設計プロセスはホモロゲーション同様、ほぼ計画通りに進んでいると言って良いだろう。