ルノーF1マシン「R.S.20」を背景にカタロニア・サーキットのピットを歩くフェルナンド・アロンソ、10月のバルセロナでのフィルミングデーにて
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フェルナンド・アロンソ、最新型ルノーR.S.20に好感触「良い意味で驚き…パフォーマンスを引き出し切れなかった」

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2021年シーズンのF1世界選手権にフルタイム復帰を果たすフェルナンド・アロンソが、10月13日(火)にスペインのカタロニア・サーキットで約1年半ぶりにF1マシンをドライブした。

2度F1ワールドチャンピオンは2005年と2006年にルノーと共にタイトルを獲得した後、マクラーレンでの1シーズンを経て2008年と2009年に再びエンストンのチームに戻り、来年3度目の古巣復帰を果たす。

アロンソは火曜に地元スペインのバルセロナに足を運び、再始動に向けてルノーとの契約に合意して以来初めて、今シーズンのF1でダニエル・リカルドとエステバン・オコンがドライブしている2020年型F1マシン「R.S.20」に乗り込んだ。

いわゆる”フィルミングデー”を利用した形でのテストで、撮影用のドローンが飛び交う中でアロンソは、レギュレーションの規定通りにデモタイヤを履き、20年前にルノーの前身であるベネトンでデビューを果たした思い出のカタロニア・サーキットを21周、約100kmを走破した。

ルノーF1マシン「R.S.20」をドライブするフェルナンド・アロンソ、10月のバルセロナでのフィルミングデーにて

アロンソが最後にF1マシンのステアリングを握ったのは2019年4月のバーレーンテストだ。この時はマクラーレンを駆ったがやはりブランクは大きいようで、ヘルメットを脱いだアロンソは「マシンは今の僕の手に負えないパフォーマンスを備えていた」と語った。

「マシンは良い意味でサプライズだった。このクルマがここ最近素晴らしいパフォーマンスを発揮している事は知っていたよ。グリップがあったし、確かにポテンシャルを感じた」

「ルノーエンジンを最後にドライブしたのは2018年だけど、(最新のエンジンは)更に進化していると感じた。すべてが良い感じだった」

「(自分の中の感覚を)F1マシンのスピードに戻すのは簡単な事じゃないんだ。(今の僕には)クルマから最大限のパフォーマンスを引き出すことは出来ない。エンジニアにフィードバックしながら、ラップ毎にラップタイムを上げていった」

ルノーの2020年F1マシン「R.S.20」に乗り込むフェルナンド・アロンソ、10月のバルセロナでのフィルミングデーにて

アロンソは今、特定のレーシングシリーズに参戦しておらず、毎戦F1を観戦している。チームはアロンソが週末全体をフォローできるよう、オンボードカメラやチーム無線、デブリーフィングや戦略会議にアクセスできる専用セットアップを施したPCを贈った。

無論、リカルドがルノーにとっての10年ぶりの表彰台をもたらしたニュルブルクリンクでのアイフェルGPも観戦していた。

アロンソは「まさに表彰台に相応しいパフォーマンスだった」としつつ「シリルはタトゥーの事を心配しているかもね!」と続け、リカルドとの賭けに破れて入れ墨を彫る事になるチーム代表のシリル・アビテブールの胸の内を案じた。

復帰までに残された期間はあと半年足らず。アロンソは万全の状態で来シーズンを迎えられるよう、これからの数ヶ月に渡って行う準備計画の一部を説明した。

「かなり多くの準備が必要になるけど、まず第一に必要なのはフィットネスだ。首と上半身の強化をしなきゃならない」とアロンソ。

「それにベストな状態で快適にドライブできるよう、シートフィッティングや、ステアリングやペダルの位置など、様々な調整に取り組む必要がある」

「エンジニアとの関係についても準備が必要だ。お互いの顔を見るだけで理解し合えるような良い関係を築こうとしている」

フェルナンド・アロンソとルノーのオペレーション・ディレクターを務めるアラン・パーメイン、10月のバルセロナでのフィルミングデーにて
アロンソとルノーのオペレーション・ディレクターを務めるアラン・パーメイン / © RENAULT SPORT