背後からウィリアムズのジョージ・ラッセルに迫るアルピーヌのフェルナンド・アロンソ、2021年7月4日F1オーストリアGP決勝レース
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臨場感抜群!ひたひたと迫るアロンソが怖すぎる…1点を巡るラッセルとの「タイトル争い最終周」をオンボードと無線で振り返る

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「Alonso and Russell’s Epic Duel(アロンソとラッセルの壮絶な戦い)」と銘打たれた2021 F1オーストリアGP決勝レースでのフェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)とジョージ・ラッセル(ウィリアムズ)の激闘を収めた4分48秒の動画が公開された。

ウィリアムズFW43Bのリア側のオンボードや空撮、トラックサイドカメラの映像を中心に、チームとの無線でのやり取りを交えた国際映像にはない臨場感溢れる仕上がりで、後方からひたひたと迫るアロンソが実に恐ろしい。

2度に渡って激戦のワールドチャンピオンシップを制した経験を持つアロンソは、レッドブル・リンクでのラッセルとの1ポイントを巡る激戦を”タイトル争い”になぞらえた。

ウィリアムズドライバーとしてのキャリアベストの9番グリットからスタートしたラッセルは、ドリルトン・キャピタル体制となった英国グローブのチームに待望の初ポイントをもたらすべくレース終盤に10番手を走行していた。

対するアロンソはトラフィックにより上位グリッドを阻まれ「もう週末は終わりだ!」と激昂した予選を経て14番グリッドに並び、2周分フレッシュなタイヤを履いてレース中盤の33周目から終盤に向けて16歳年下のイギリス人ドライバーに迫っていった。

何周にも渡る手に汗握るバトルを繰り広げた後、アロンソは残り4周というタイミングでラッセルを捉えターン4で前に出た。

レースを終えたアロンソは「僕にとっても彼にとっても1ポイントは金メダルに等しいわけで、まるでチャンピオンシップを争うファイナルラップを戦っているような感覚だった」と述べ、若き才能との激闘をタイトル争いに重ね合わせた。

また最終盤に自身の前を走るのが「彼以外の誰かであって欲しいと願っていた」として、ラッセルが10位を失うことの意味を考えると、ラッセルを抜くのは「少し悲しい気分」だったとも語った。

一方のラッセルは「F1に参戦して3年が経つけど、誰かと本気で戦ったのはあの時が初めてだった。ホイール・トゥ・ホイールのバトルはこれまでに1度もなかったからね」と百戦錬磨のF1王者とのバトルを振り返り、「3年間もここにいながら、殆どバトルを経験していないのは少し妙な感じがする」と付け加えた。

ウィリアムズは2019年のドイツGPでロバート・クビサが10位でフィニッシュして以来、一度もポイントを獲得できていない。アロンソの言うように1ポイントの重みはタイトルトロフィーに等しい。

背後からウィリアムズのジョージ・ラッセルに迫るアルピーヌのフェルナンド・アロンソ、2021年7月4日F1オーストリアGP決勝レース

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