アレックス・アルボン、2019年 FIAルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得
レッドブル・ホンダのアレックス・アルボンが、6日にフランス・パリで行われたFIA授賞式でルーキー・オブ・ザ・イヤー(新人王)を獲得し、注目すべきF1世界選手権でのデビューシーズンを締め括った。
FIAのルーキー・オブ・ザ・イヤーは2014年に設けられ、これまでにダニール・クビアト、マックス・フェルスタッペン、ケビン・ハンセン(欧州ラリークロス)がそれぞれ一度、そしてシャルル・ルクレールがF2及びF1でのデビューイヤーに同賞を受賞している。
イギリス生まれのタイ人レーサーにとって、この12ヶ月はまさに激動の一年だった。既に日産e.damsからのフォーミュラE選手権への参戦が決まってきたものの、突如として2019年にトロロッソ・ホンダのドライバーに選ばれ、その半年後にはピエール・ガスリーに代わってトップチームのレッドブル・ホンダに昇格。少なくとも近年において、これ程短期間にトップチームのシートを手にした例はない。
多くの新人達が何年もかけてテストやフリープラクティスでF1マシンを習熟するのとは対照的に、アルボンが初めてF1マシンをドライブしたのは僅か10ヶ月前のことであり、契約時には走行未経験だった。だが、プレシーズンテストですぐさま、その速度レンジに慣れ印象的なタイムを刻むと、シーズン前半を通して貪欲に学んで存在感を示し、ベルギーGP以降のイベントではマックス・フェルスタッペンのチームメイトを務めた。
ガスリーが競争力のあるレッドブルRB15で12戦を戦ったのに対し、アルボンは9戦と3戦少ない。だが、ドライバーズランキングでは僅か3点差に迫り、ベスト・オブ・ザ・レストの6位を獲得したマクラーレンのカルロス・サインツに対しても4点差に迫った。
ブラジルではキャリア初の表彰台の可能性を手にしながらも、ルイス・ハミルトンの衝突によって無念のポイント圏外に終わったが、チームがタイトル争いを標榜する2020年シーズンに向けて、好調のままにデビューイヤーを締め括った。