レッドブル・レーシングのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコとマックス・フェルスタッペン、2020年F1サクヒールGPにて
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フェルスタッペン、前戦での事故に「未だ苛立ち感じる」も 気持ちを切り替え優勝での今季終幕目指す

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レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンが、2020年FIA-F1世界選手権第17戦アブダビGPに先立って抱負を語った。昨年のレースではエンジンのドライバビリティに不満を訴える場面もありルイス・ハミルトンに対して為す術がなく、2位表彰台という結果に終わっている。

前戦サクヒールGPでは、同じ2列目からスタートしたシャルル・ルクレール(フェラーリ)がオープニングラップのターン4で止まり切れず、セルジオ・ペレス(レーシングポイント)の右脇腹に激突。接触を回避しようとしたフェルスタッペンはバリアに突っ込みリタイヤを喫した。

スチュワードはレース後に審議を行い、責任はルクレールにあるとしてアブダビGPでの3グリッド降格と、2点の罰則ポイントを科す裁定を下した

その後のレースはメルセデス勢が不運と失策で表彰台を逃す波乱の展開となり、1周目の事故で最後尾への後退を強いられたペレスがキャリア初優勝を飾る劇的な形で幕を下ろした。生き延びてさえいれば、フェルスタッペンに今季2勝目の大きなチャンスが巡ってきた事は疑いないと言える。

それだけに、本人の胸の内には未だに”くすぶるもの”があるようだ。

フェルスタッペンは現在ドライバーズランキングで2位バルテリ・ボッタスに16点差の3位に付けている。

マックス・フェルスタッペンアブダビGPに向けて

サヒールGPの1周目を振り返って

マシンには速さがあったし、チームのために良いレースがしたいと思っていたから、未だにフラストレーションを感じている。誰もが相当アグレッシブな走りをしていたから、オープニングラップでは3度も接触を避けようとしなきゃならなかった。あれ以上の事は何も出来なかったよ。

シャルル(ルクレール)の事はドライバーとして尊敬しているし、こういう事は誰にでも起こり得る事だけど、僕のレースは台無しになってしまったし、良い結果が期待できたチームにとっても残念な結末になってしまった。

結果が変わるわけじゃないんだから、次戦での(ルクレールに対する)グリッドペナルティに大きな意味はない。でも起きてしまった事はしょうがないし、僕らは前に進むよ。

アブダビGPについて

楽しみだよ。ここのコースは毎年楽しんでドライブしてるからね。前戦はコーナーが少ないショートサーキットだったから、21コーナーを持つよりノーマルなコースに戻ってこられて嬉しい。昨年はここで2位だったし、今週末の僕らには失うものが何もないから、やるっきゃないね。

今シーズン最後のレース

クレイジーなシーズンを締め括るためにアブダビで最後の追い込みが必要だけど、チームメンバーの殆どはオフシーズンに向けて準備万端なんじゃないかな。

よくドライバーにとって大変なシーズンだったねって聞かれるけど、実際にはチームの方が大変なんだ。僕らよりも早く現地に飛んで、僕らが到着する前にあらゆる準備を整えなきゃならないからね。

そういうわけで今シーズンは彼らにとっても本当に強烈だった。僕らは誰もがレースを愛しているけど、アブダビ後に休みを取って家族と一緒に過ごす時間を心待ちにしている。

ドライバーズチャンピオンシップで2位になろうが3位になろうが僕にとっては大差ないけど、だからと言って手を抜くことはないし、当然優勝を目指してプッシュするつもりだ。

アップグレードが持ち込まれていることや最速ピットストップを記録している事を見ても分かるようにチームもプッシュし続けているし、僕も当然全力を尽くす。


アブダビGPの舞台となるのは、1周5,554m、全21コーナーを有するヤス・マリーナ・サーキット。レースは夕暮れ時から日没にかけて行われるトワイライトレース。

ドライコンディションとなった昨年のグランプリでは、ルイス・ハミルトン(メルセデス)が全周リードラップとファステストラップを記録。後続を17秒引き離してのポール・トゥ・ウインを飾った。2位はマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)、3位はシャルル・ルクレール(フェラーリ)という結果だった。

F1アブダビGPは、日本時間12月11日(金)18時からのフリー走行1で幕を開ける。

F1アブダビGP特集