相次いだクラッチ不具合、角田裕毅「ちゃんと止まれなかった」無得点も”誇り”を胸に4年目を終了
角田裕毅(RB)のF1参戦4シーズン目は、クラッチの不具合に翻弄される形で幕を下ろした。最終アブダビGPでは、スタート時にクラッチが正常に作動せず、さらにピットレーンでの操作でも不具合が発生。11番手スタートから一時10番手まで挽回したものの、入賞争いには絡めず消化不良のレースを強いられ、無得点の12位に終わった。
角田裕毅はスタートの蹴り出しで大きく遅れ、1周目に8つのポジションを失った。巻き返すにもペースが足らず、13位でフィニッシュした。ただ、累積のトラックリミット違反によりランス・ストロール(アストンマーチン)に5秒ペナルティが科されたため、最終12位に昇格した。
角田裕毅は「僕のレースは開始と同時にほぼ終わってしまいました」と振り返り、正確な理由は分からないとしつつも、「クラッチがスタックしたのは99%間違いないと思います。正直、こんなことは初めて経験しました。スタートでエンストがあって、クルマが全く前に進みませんでした」と説明した。
問題はその後も続いた。
「手順に問題があったとは思っていません。実はピットストップでピットレーンに入った時も、同じ現象が起きていまい、クラッチがスタックして、ちゃんと止まれなかったんです」と角田裕毅は語った。
「本当に残念です。特に最終戦ということもあって、(ポイントは取れないまでも)せめて良いレースをしたかったです。その後はベストを尽くしましたが、上手くいかず、本当に厳しいレースになってしまいました」
関連性は不明だが、シニアチームのセルジオ・ペレス(レッドブル)もクラッチに問題を抱えた。
目標としていたコンストラクターズ選手権6位はアルピーヌの手に渡った。理想的な仕事納めとはならなかったが、概して言えば、2024年シーズンは角田裕毅にとってのベストシーズンだったと言える。ダニエル・リカルドとリアム・ローソンという2人のチームメイトを総合的に上回り、実際、ドライバーズ・ランキングではキャリアベストの12位を獲得した。
アブダビGPを経てペレスが2025年のシート喪失の可能性を初めて認めたことで、その後任選びにさらなる注目が集まる中、角田裕毅は2024年シーズン全体を振り返り、自身の成果と成長に誇りを感じていると語った。
「全体的に見れば力強いシーズンになったのは確かだと思います。シーズンを通して自分が何を成し遂げたのかは、本当にハッキリしていると思います。自分自身を誇りに思いますし、チームの仕事ぶりも本当に誇らしく思います」と角田裕毅は語る。
「もちろん、最終的には望んでいた結果を達成することはできませんでしたが、チームとして100%全力を尽くしました。それが一番大事なことだと思います」
2024年F1最終第24戦アブダビGPでは、ランド・ノリス(マクラーレン)がポール・トゥ・ウインを飾り、マクラーレンに26年ぶりのコンストラクターズ選手権をもたらした。