レッドブル、記録的成功と壮絶な悲痛「比類なきシーズン」を振り返る指揮官ホーナー
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グランドエフェクトカー導入初年度の2022年はまさに「レッドブルのシーズン」と呼ぶに相応しいものだった。
全22戦で行われた今季、セルジオ・ペレスは2勝を挙げ、ワールドチャンピオンのマックス・フェルスタッペンは年間15勝という新たな記録を打ち立て、最終アブダビGPをも勝利で締め括った。勝率は77.27%に達した。
ヤス・マリーナでのレースを終えてレッドブルの指揮官は「なんというシーズン、なんという終わり方だろう!ただただ、信じられない気分だ」と1年を振り返った。
「チームとして17勝を挙げ、5回の1-2フィニッシュを達成し、ドライバーズ選手権での1-2まであと一歩というところにまで迫った。本当に驚異的な1年だった。我々のこれまでの記録を塗り替える結果だ」
「ドライバー達も非常に素晴らしかった。マックス(フェルスタッペン)の年間15勝は記録を塗り替えた。アブダビでの3連勝は賞賛に値する」
「チェコ(セルジオ・ペレス)は全力を尽くし、レース終盤にはシャルル(ルクレール)に追いつき2位を射程に捉えたが、残念ながら追い抜くには至らなかった」
「ただそれでもチャンピオンシップでの3位は素晴らしい成果であり、F1における彼のベストシーズンとなった」
「F1はどのシーズンも過酷だが、今シーズンは本当に全員の努力の賜物だった。ミルトン・キーンズで働く者からサーキットのスタッフ全てまで、その努力は計り知れない」
「また、パートナー達にもお礼を伝えたい。彼らのサポートがなければ実現し得なかっただろう」
記録的成功の裏にはスキャンダラスな出来事と喪失もあった。
フェルスタッペンが初のドライバーズチャンピオンを獲得した2021年の予算上限に違反したことで、700万ドルの罰金と空力開発テスト時間10%減の罰則が科された。
またオースティンでのF1アメリカGP予選を数時間後に控えては、レッドブルとアルファタウリの生みの親であるディートリヒ・マテシッツが78歳でこの世を去った。
ホーナーは「今シーズンを振り返ってみると、幾つかの壮大な絶頂期もあれば、それと同じくらいに悲痛な状況にも見舞われた」と続ける。
「2022年は他に類を見ないシーズンであり、それと同時に創設者であるディートリッヒ・マティシッツを失った年でもあった」
「F1は彼の情熱と愛の対象だった。今シーズンに達成した全てのことを、そして2つの世界選手権制覇を彼に捧げたい。ありがとうディディ」
11月20日(日)に行われた2022年F1第22戦アブダビGPでは、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)がポール・トゥ・ウインで自身2度目のタイトルシーズンを締め括った。
全22戦のシーズンはこれで全日程が終了した。F1サーカスは冬のオフシーズンを迎える前に、11月22~23日にヤス・マリーナ・サーキットでのポストシーズンテストに臨む。