トロロッソ、11番手でショートランに手応え「課題のロングランも改善」
スクーデリア・トロロッソの主任レースエンジニアを務めるジョナサン・エドルズがF1第21戦アブダビGP金曜プラクティスを振り返り、初日セッションで行った走行プログラムの詳細と予選に向けた展望を語った。
トロロッソ・ホンダ勢は午前のFP1でギアボックストラブルに見舞われるアクシデントがあったものの、ピエール・ガスリーが11番手、ブレンドン・ハートレーが16番手とまずまずの結果で初日を締め括った。
ショートランに手応え、ロングランにも光明
ジョナサン・エドルズチーフレースエンジニア
前戦ブラジルGPでは予選は良かったものの、決勝では期待したレースペースを発揮することが出来なかった。そのため我々は、ショートランとロングランで何故ペースが違うのかを解明するために努力を重ね準備をしてきた。
今日のセッションでは理解を更に深めるため、先週の解析データを元にテストを行った上で、レースペースを向上させながらもショートランペースを犠牲にしない方向性を探ることに時間を費やした。今回はアグレッシブなタイヤ選択をしていたから、FP1ではハイパーソフトを2セット投入し走行を重ねた。ブレンドンの走行結果によって、我々の分析がほぼ正しい事が証明されたよ。
ところが残念な事に、ピエールの方はセッション終盤の走行時にギアボックスにトラブルが発生してしまった。問題の原因は分かっているものの、リスクを避けるためにFP2に向けてギアボックスを交換することにした。
FP2ではロングラン用のセットアップでショートランを行った際のマシンの最適化に重点を置いた。このセッションは予選及び決勝レースと同じ路面コンディションで走れる唯一のセッションだから、週末の中で一番重要なんだ。ピエールのマシンでは期待した結果が得られたよ。でもブレンドンの方は上手くラップをまとめ上げる事ができなかった。実際にはもっと上のタイムを記録できたはずだ。
予選に向けて今夜やらなきゃならない解析作業が残っているのは明らかだけど、ロングランに関しては過去数戦と比べて改善したと言える状況になってきているし、ショートランでのペースには手応えを感じている。
全てのチームが抱えている大きな問題はハイパーソフトタイヤのグレイニングだろう。このコンパウンドは燃料を積んだロングランの時に特に問題が多く、改善のために打てる手段はほとんどない。10番手と11番手からスタートするドライバーはこの点で大きな違いを抱える事になるだろうから、これがレースの鍵を握る事になるはずだ。興味深いレースになると思う。
初日をトップで締め括ったのは昨年の勝者バルテリ・ボッタス(Mercedes)。2番手マックス・フェルスタッペン(Red Bull)を0.044秒差で退けた。3番手には0.192秒遅れでダニエル・リカルド(Red Bull)が続く結果となった。
F1アブダビグランプリ3回目のフリー走行は、日本時間24日(土)19時から20時まで、公式予選は同22時から1時間に渡ってヤス・マリーナ・サーキットで開催される。