70周年記念GPの決勝レースを前にグリッド上で話をするスクーデリア・フェラーリのセバスチャン・ベッテルcopyright Ferrari S.p.A.

フェラーリの戦略を「無意味」と批判するベッテル、反論するビノット代表 / F1-70周年記念GP《決勝》2020

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スクーデリア・フェラーリとセバスチャン・ベッテルの関係は、控えめに言っても決して良好とは言えないようだ。70周年記念GPの決勝レース中、ベッテルは無線を通してチームの戦略を公然と批判した。

今シーズン限りでの契約満了を一方的に告げられたベッテルは、キャリア最悪のシーズンを過ごしている。4度のF1ワールドチャンピオンは5戦を終えて、僅か10ポイントのランキング13位に甘んじている。

2009年と2018年のイギリスGPウィナーは、シルバーストーンでの2回目の予選でQ2敗退を喫した。1日を振り返ったベッテルは、ドライビングスタイルやセットアップを変更するなど、あらゆる事にトライしても答えが見つからず、「2台のマシンの間のギャップ(ルクレールとの差)に失望」「行き詰まっている」と途方に暮れていた。同じSF1000を駆るシャルル・ルクレールは8番手。両者のギャップは0.464秒に達していた。

迎えた日曜日。ハードタイヤを履いて11番手からスタートしたベッテルは、ターン1でスピンを喫し最後尾に転落。厳しい出だしを強いられた。

その後、他車のピットストップによって徐々にポジションを戻していったベッテルは、9番手を走行していた23周目にピットへと入り新品ハードに交換するも、戻ったところはトラフィックのド真ん中。ベッテルは思わず「頑張って踏み止まってみせるけど、キミらが台無しにしたんだからな!」と無線を飛ばした。

結局ベッテルはハード23周、ハード11周、ミディアム22周と繋いで、ポイント圏外の12位でフィニッシュした。レース後、無線の意味を問われたベッテルは「トラフィックに遭遇することを承知の上でピットインしたって無意味だっていう話を今朝していたんだ。それなのに、まさにそういう状況だった」と説明した。

「それに、ハードタイヤを履いていた時も、たったの10周程度しか使わなかったんだ。意味をなしていない」

「つまり、何でハードで10周しか走らず、ミディアムで20周もしたんだ?って話なんだ。おかげでレース終盤にかけてタイヤが終わってしまった。今朝話していた通りの状況だ。ベストな仕事とは言えない」

これに対してマッティア・ビノット代表は「セバスチャンのポジションは最初の周のインシデントの結果だ」と述べ、ベッテルの結果が奮わなかったのは戦略のせいではなく、1周目のスピンが原因だと主張した。

こうした状況について同郷のニコ・ロズベルグは、RTLテレビジョンに対して「セブのチームラジオはフェラーリの状況がいかに緊迫しているかを示している」と述べ、関係悪化への懸念を口にした。

ベッテルが苦戦続きのシーズンを送る一方、8番手からスタートしたルクレールは、1ストップ戦略を成功させて見事4位入賞と挽回してみせた。5戦を終えて45ポイントを稼いだルクレールは、バルテリ・ボッタスに続くランキング4位につけている。

決勝を終えて、Sky F1から「ルクレールのマシンと比べて何か違いを感じているか」と問われたベッテルは「分からない。何か足りないものがあるんじゃないかな。それが何なのかは分からないけど。でもそれが何であれ、僕は出来る限りの事をしているし、しようと頑張っている」と返した。

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