2017年のF1観客動員数は前年比8%増の400万人。リバティメディア 改革成果を強調も日本での人気低下は鮮明に
2017年12月8日、フォーミュラ1は2017年シーズンの観客総動員数の詳細を発表した。新レギュレーションが施行された今季は、前年2016年比8%増の計400万人以上がサーキットに足を運んだ。
年間全20戦の内13レースで観客が増加、最も大きな伸びを記録したのはアゼルバイジャン・グランプリとなった。昨年ヨーロッパGPの名称で行われたバクー市街地コースでのイベントでは58%も動員数が増加。総動員数別ではランス・ストロールの母国カナダGPとレッドブルの母国オーストリアGPが最も大きく上昇。週末を通して前年比6万人超の観衆を動員した。
一イベントあたりの世界平均観戦者数は20万3,570人、日曜の決勝レース当日の平均動員数は7万6,722人となった。これはUEFAチャンピオンズリーグ、プレミアリーグ、ブンデスリーガが2016年と17年に記録した数よりも多く、2016年のNFLや2014年のFIFAワールドカップよりも多い動員数。
昨年米国のメディア関連企業リバティ・メディアによって買収されたフォーミュラ1・グループは、世界的なF1人気低下に歯止めをかけるため、チームやドライバーに対するTwitterやFacebook等のSNSの運用制限を緩和、eSportsへの参入、”F1 Live London”等レース週末に特別なイベントを実施するなどの改善策を施してきた。
最終戦アブダビGPの表彰台セレモニーでは、刺激的な映像とともに新しいロゴを発表。CI(コーポレート・アイデンティティ)の一新を進め、新しいF1ブランドの再構築を急ピッチで進めている。
F1の商業面を統括するマネージングディレクターのショーン・ブラッチズは次のように述べ、リバティ・メディアの改革の成果を強調した。
「2017年のシーズンはドライバーやチーム、そして何よりもファンの皆様のお陰で、コース外でもコース内でも素晴らしいイベントとなりました。1イベントにつき20万人以上の観客が会場に足を運んでくれたわけですが、一年に換算すると20回の週末全てでこれだけ多くの方がF1を見に来てくださったという事です。これは中規模都市の人口に相当する人達がレーストラックを訪れF1グランプリを見たことを意味します」
「私たちの職務は、各イベントをこれまで以上に楽しめるものにし、地球上で最も素晴らしいレースとなるよう努力する事にあります」
ただし、日本、イギリス、ロシア、アメリカ、メキシコでは減少。中でもF1日本GPは最も大きく減少した。今年鈴鹿サーキットで行われたF1日本GPは決勝6万8,000人、のべ13万7000人に留まり過去最低の観客動員数となったが、これは世界平均と比較して33%も下回った事になる。また動員総数でみても20戦中17番目に少ない数となり、日本国内でのF1人気低下が一層鮮明となった。