
角田裕毅のインディカー転向説、本丸は2028年? 来季MSRはシューマッハ優勢…一方でホンダのメーカー参戦計画が鍵に
インディカーに参戦するメイヤー・シャンク・レーシング(MSR)の2027年シート候補に名前が挙がっている角田裕毅だが、来季の66号車の最有力候補はミック・シューマッハとされ、両者は契約合意に近づいていると報じられている。
米国のモータースポーツメディア『Racer』によれば、角田とMSRをめぐる話の大半は2027年ではなく、MSRがホンダのメーカー参戦車両として3台目のマシンを走らせる2028年に関連するものだという。
一方、2027年にMSRの66号車でインディカー未経験者を走らせ、2028年に向けて準備させる構想も浮上しており、最終的にはホンダの2028年に向けたドライバー計画が、来季の66号車の行方を左右する可能性がある。
MSRの2027年本命はシューマッハ
Courtesy Of Penske Entertainment
ナッシュビル・スーパースピードウェイでインタビューに応じるミック・シューマッハ(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)、2026年7月20日(月) インディカー第11戦ミュージックシティGP
66号車は現在マーカス・アームストロングがドライブしているが、今年のインディ500を制したフェリックス・ローゼンクヴィストの離脱に伴い、来季は60号車へ移ることが決まっている。これにより、66号車が空席となる見通しだ。
現時点でそのシートの筆頭候補とされるのはシューマッハで、MSRとの契約合意に近づいているとされる。
チーム側は追加資金を求めており、シューマッハは新たなスポンサーを通じて、その資金を持ち込むことが可能だとされる。
現時点で来季のシート争いで優位に立つのは角田ではなくシューマッハだとされるが、共同オーナーのマイク・シャンクはドライバー決定を急がない姿勢を示している。仮にシューマッハ陣営との交渉が進んでいるとしても、後述する状況も踏まえると、最終的にどのような決断が下されるのかは依然として不透明だ。
角田話の本命は2028年ホンダ参戦計画
Courtesy Of Penske Entertainment
ポートランド・インターナショナル・レースウェイで言葉を交わすフェリックス・ローゼンクヴィスト(メイヤー・シャンク・レーシング)とチーム共同オーナーのマイク・シャンク、2026年8月9日(日) インディカー第14戦ポートランドGP
角田について、より注目すべきなのは2028年だ。報道によれば、角田が候補として挙がっている話の大半は、「2028年にMSRがホンダのマニュファクチャラー・エントリーとして3台目のマシンを走らせる計画に関するもの」だという。
ホンダは2028年から、インディカー史上初となるメーカー参戦マシンをシリーズに送り込む計画で、その参戦枠を託す相手としてMSRと提携する予定となっている。
その2028年には、現行マシンより約100lb(約45kg)軽く、最大760馬力を発生する新型ハイブリッド・パワートレインを搭載する新車「IR-28」が導入される。
ホンダが2028年にインディカー未経験のドライバーを起用した場合、そのドライバーはオーバルを含む未経験のサーキットやレース運営への適応に加え、新車への習熟とフィードバックも同時に求められることになる。
そこで浮上しているのが、2027年に66号車を使う構想だ。2028年のメーカー参戦候補を1年前からインディカーで走らせれば、新型マシン導入時には、サーキットやレース運営、オーバルへの適応をある程度済ませた状態に持ち込むことができる。
角田の2027年参戦が取り沙汰されている背景には、単純に空いたシートを争うという話とは異なる側面がある。ホンダが2028年に誰をメーカー参戦車両へ乗せたいのかによって、前年の66号車の使い方まで変わる可能性があるようだ。
とはいえ、オランダGPでの代役参戦を通じてF1フル参戦復帰への道が開かれた場合、角田にとってインディカー転向の優先度が変わる可能性もある。
太田格之進らも2028年候補に浮上
Courtesy Of Honda Motor Co., Ltd
表彰台でトロフィーを掲げる太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、2026年7月19日(日) スーパーフォーミュラ第7戦富士決勝(富士スピードウェイ)
もっとも、2028年の候補は角田だけではない。
HRC USのアキュラIMSA GTPプログラムでMSRと関係を持ち、今シーズンのスーパーフォーミュラ選手権をリードする太田格之進の名前も挙がっている。
さらに、2024年のインディカー・ルーキー・オブ・ザ・イヤーに輝いたリーヌス・ルンドクヴィストも候補とされる。インディカーでの経験という点では、角田や太田とは異なる優位性がある。
2027年の66号車のドライバーについては、ホンダがその費用を負担するのであれば、MSRはホンダの意向を尊重するとみられている。
ただし、ホンダは2028年のメーカー参戦開始に向け、2027年を通じて多額の準備費用を投じることになる。そのうえでドライバー起用にも予算を割く意思があるのかどうかは、現時点では明らかになっていない。