
アストン・ホンダ、水準未達でF1日本GPへ。鈴鹿でのAMR26に「魔法」は宿るか
2026年のF1世界選手権は今週末、第3戦日本グランプリを迎える。鈴鹿サーキットでのホームレースを前に、ホンダが現在直面するパワーユニット(PU)の信頼性およびパフォーマンス不足に関する最新の進捗を公表した。
アストンマーティン・ホンダは、2026年シーズンの開幕から極めて厳しい戦いを強いられている。激しい振動トラブルにより、開幕2戦を終えた時点で2台の「AMR26」は一度もグランプリレースを完走できておらず、コンストラクターズ選手権では最下位に沈む。
ホンダは競合するエンジンメーカーと比較して、ICE(内燃エンジン)だけでなく、エネルギー回生システムの面でも遅れを取っているとみられる。加えて開幕2戦ではバッテリーの予備も不足するなど、チームは極めて厳しい状況に置かれている。
Courtesy Of Pirelli & C. S.p.A.
バルテリ・ボッタス(キャデラック)とポジションを争うフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン・ホンダ)、2026年3月15日(日) F1中国GP決勝レース(上海インターナショナル・サーキット)
鈴鹿を前にした振動問題と性能不足の現状
ランス・ストロールは前戦を終えて、ホンダが「この10日間で魔法を見つけない限り」、鈴鹿は厳しい週末になるとの見方を示していた。実際、ホンダは第2戦中国GP後の2週間弱のインターバルを活用し、信頼性の課題解決に取り組んでいる。
ホンダ・レーシング(HRC)の折原伸太郎トラックサイド・ゼネラルマネージャー兼チーフエンジニアは日本GPに先立ち前戦を振り返り、「システムに影響を与えていた振動を低減できたことで、バッテリーの信頼性という点で一定の進展がありました」と説明した。
だが、依然として状況は全く楽観できない。折原CEは、「ドライバーに影響を及ぼしている振動の原因を特定するためには、さらなる解決策を見つける必要があります」とも語り、シャシー側を含めたパッケージ全体の振動問題という観点での根本原因はまだ特定できていないと明かした。
さらに、「特にエネルギーマネジメントに関して、我々のパフォーマンスはまだ望んでいるレベルに達していません」と述べ、性能面でも求める水準に届いていないと認めた。鈴鹿サーキットはエネルギー回生の機会が限られるコースであり、エネルギーマネジメントの質がリザルトを大きく左右する可能性がある。
それでもホンダは、前進の兆しを母国のファンに示したい考えだ。
折原CEは「望んでいたレベルにはまだ到達していませんが、パッケージの性能を最大限に引き出すために努力を続けます」としたうえで、「バーレーン以降、一定の進展を遂げたことを見ていただきたいです」と語った。
新たな火種となるか、不安定な首脳体制
Courtesy Of Aston Martin Lagonda Limited
英国シルバーストンに位置するアストンマーチンF1チームのファクトリー「AMRテクノロジーキャンパス」の外観
技術的な問題に加え、アストンマーティン上層部における管理体制の揺らぎも、日本GPを前に大きな話題となっている。現在、主要ポストの人事を巡る憶測が飛び交っており、組織の安定性への懸念の声も上がっている。
チームオーナーのローレンス・ストロールは、先週アウディを即時退職したジョナサン・ウィートリーに対し、チーム運営を任せるためのオファーを出したとみられる。これは、マネージング・テクニカルパートナーであるエイドリアン・ニューウェイの下で、実務を統括する役割を想定したものとされる。
ニューウェイは現在、チーム代表を兼任しているが、これは前任のアンディ・カウエルとの意見対立が背景にあるとされている。チーム代表の座を追われる形となったカウエルは現在、元メルセデスのPU部門責任者としての知見を活かし、ホンダ側の問題解決のために日本に滞在中とも伝えられるが、今シーズン中にチームを去るとの見方もある。
Courtesy Of Aston Martin Lagonda Limited
アストンマーチンF1チーム代表兼CEOアンディ・カウエルと話すエイドリアン・ニューウェイ、2025年F1モナコGP

アストンマーティン・ホンダのガレージでデータを監視するホンダF1パワーユニット開発を統括する角田哲史ラージプロジェクトリーダー、2026年F1オーストラリアGP予選