
フェルスタッペン「本当に酷い一日」風に翻弄されたRB21、他とは”異なる方向性”に振ったレッドブル
2025年F1第12戦イギリスGP初日プラクティスを終えたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)は、「今日は本当に酷い一日だった」と総括した。この日は風の影響を大きく受けながら、マシンバランスの改善に終始する一日となった。
風に翻弄されたRB21
「とにかくバランスが全然取れていない。コーナーごとに感触が変わるんだ。クルマの挙動がつかめなくて、今日は本当に酷い一日だった」とフェルスタッペンは振り返る。FP1で10番手、FP2でも5番手にとどまり、トップ勢から大きく水をあけられた。
風の影響については「かなり影響した。でも、それは言い訳にはならない。全員が同じ条件だからね。ただ、僕らのクルマは風にかなり敏感なように見える」としたうえで、「いくつか見直す点はあるけど、全体的に見ると単純にパフォーマンスが足りない」と厳しい評価を下した。
RB21は午前中のセッションで深刻なアンダーステアに悩まされ、セットアップの変化とともに今度は極端なオーバーステアに転じるなど、マシンの挙動が極めて不安定だった。午後の走行ではある程度改善が見られたものの、アンダーステア傾向は解消されず、とりわけターン6〜7の中速セクションでの失速が顕著だった。
Courtesy Of Red Bull Content Pool
シルバーストン・サーキットのフィニッシュラインを越えるマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、2025年7月4日F1イギリスGP フリー走行
アップグレードの効果
チーム代表のクリスチャン・ホーナーも「あのセクションで全てを失っている。それ以外はマクラーレンやフェラーリと同等のペースだ」とする一方、今回フェルスタッペン車にのみ搭載されたと見られる新型フロアについては「期待通りの効果を発揮している」と前向きな評価を示した。
加えて、フェルスタッペンとチームメイトの角田裕毅は、異なるリアウイングを試していた。レッドブル勢はライバルと比べて空力効率を重視したアプローチを採っており、実際FP2ではフェルスタッペンがスピードトラップで最速を記録。ストレートでの優位性を見せていた。
Courtesy Of Red Bull Content Pool
レッドブルのマックス・フェルスタッペンと角田裕毅のリアウイングの違い、2025年7月4日F1イギリスGP フリー走行2(シルバーストン・サーキット)
有望なロングラン、土曜日への期待
ロングランに関しては幾らか安定した挙動だった。フェルスタッペンのペースは、シャルル・ルクレール(フェラーリ)やランド・ノリス(マクラーレン)と肩を並べる水準にあった。
依然アンダーステアは課題だが、タイヤマネジメント面では一定の成果が見られた。特に、他のチームが悩まされた左フロントタイヤのグレイニング(ささくれ摩耗)が抑えられており、決勝に向けて前向きな材料になりそうだ。
「明日は気温が下がる予報が出ている。そうなれば、我々にとって有利に働くかもしれない」と、レッドブルのモータースポーツ・アドバイザーであるヘルムート・マルコは、巻き返しへの期待を口にした。
2025年F1イギリスGPの初日FP2をトップで締め括ったのはランド・ノリス(マクラーレン)。2番手シャルル・ルクレール(フェラーリ)を0.222秒差で退けた。3番手にはルクレールのチームメイト、ルイス・ハミルトンが続く結果となった。
FP3は日本時間7月5日(土)19時30分から、公式予選は同23時から1時間に渡ってシルバーストン・サーキットで開催される。セッションの模様はDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。