ファンステージに立つマクラーレンCEOザク・ブラウン、2024年F1イギリスGP
Courtesy Of McLaren

フェルスタッペン移籍説、”意味深発言”でブラウンが火に油

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2026年に向けたメルセデス移籍の可能性が報じられているマックス・フェルスタッペンについて、マクラーレンのCEOザク・ブラウンは「乞うご期待だ。この話には“次の展開”があるかもしれない」と語り、その火に油を注いだ。

今週末の2025年F1第12戦イギリスGPを前に、ロンドンのトラファルガー広場で開催されたイベントに登場したブラウンは、英衛星チャンネル『Sky Sports』とのインタビューの中で、「今のレッドブルは、マックスがいなければアルファタウリ(注:レーシング・ブルズ)より下にいるはずだ」と発言。現在のレッドブルは彼に相応しい環境ではないと指摘した。

「彼らは素晴らしい仕事をしており、素晴らしいレーシングカーを持っているが、今はマックスが彼らを支えていると思う」

実際、数字はブラウンの主張を裏付けている。フェルスタッペンはすでに今季2勝を挙げ、155ポイントを獲得してドライバーズランキング3位につけている。一方、チームメイトの角田裕毅はわずか10ポイントにとどまり、ランキングは17位と低迷。これはレーシング・ブルズの2人をも下回る成績だ。

角田は、レーシング・ブルズでの開幕2戦では中団最上位レベルのパフォーマンスを発揮していたものの、レッドブル昇格後のポイント獲得はわずか3戦にとどまり、過去5戦では3度にわたって予選Q1敗退を喫している。

「煙のあるところには火がある」ブラウンの含みある発言

この騒動に火を付けたのは、メルセデスのジョージ・ラッセルだった。オーストリアGPの週末に先立ち、「自分の契約交渉が遅れているのは、チームがフェルスタッペン獲得に動いているからだ」と発言。その翌日には、メルセデス代表のトト・ウォルフがフェルスタッペン獲得への「関心」を明言し、「密室での話し合い」が行われていると、半ば認めた。

こうした状況を背景に、フェルスタッペンがメルセデスへ移籍するとの見方は日々強まっており、すでに両者の交渉は「現実的かつ決定的な段階」に進んでいるとの報道もある。

一方で、レッドブルのチーム代表クリスチャン・ホーナーは、「すべて推測に過ぎない」と一蹴。「マックスとの状況については、我々も本人も明確に理解している」とし、2028年まで続く長期契約の堅固さを強調している。

だが、ブラウンはホーナーの発言を意に介していない。「私は『煙のあるところには火がある』と信じている。もし誰もが自分のシートを確保しているのであれば、そう発言しているはずだが、実際にはそうではない」と指摘する。

また、「誰もが話をしているのに、誰も何も確認していないという事実は、話し合いが行われていることを物語っている。私は以前から、マックスがメルセデスに行っても驚かないと言ってきたはずだ」と語り、あらためて移籍の可能性に言及した。

さらに、「これがF1の面白いところ。乞うご期待だ。この話には“次の展開”があるかもしれない」と、意味深に付け加えた。

同じくインタビューに応じたマクラーレンのランド・ノリスは、この噂について「彼がどこへ行こうと気にしない。競争相手としてリスペクトしているし、彼とのバトルを楽しんでるけど、どこへ行くかは彼が決めることだ」と笑顔で応じ、距離を置く姿勢を見せた。

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