ガレージ前でピットサービスを受けるオリバー・ベアマン(ハース)、2025年5月16日(金) F1エミリア・ロマーニャGPフリー走行
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ベアマンのラップ無効判定に波紋―ハースが猛反発、FIAが釈明

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2025年F1第7戦エミリア・ロマーニャGPの予選Q1で記録した最終ラップが、赤旗を理由に無効とされた結果、Q2進出を逃した件について、オリバー・ベアマン(ハース)は「まったく不当」と激しく反発。国際自動車連盟(FIA)は「赤旗提示から3.3秒後にフィニッシュラインを通過したため」と釈明した。

Q1の最終盤、フランコ・コラピント(アルピーヌ)がタンブレッロ・シケインでクラッシュし、セッションは赤旗中断となった。ちょうどその前後にオリバー・ベアマンがフィニッシュラインを通過したため、彼の記録したラップタイムの扱いを巡って混乱が生じた。

FOM(フォーミュラ・ワン・マネジメント)のタイミンググラフィックでは当初、ベアマンのタイムは有効とされ、ガブリエル・ボルトレート(ザウバー)がノックアウトゾーンに沈んでいた。しかしその後、ベアマンのラップは無効とされ、結果としてボルトレートがQ2進出を果たした。

この判断に対してベアマンは明確に不満を表明し、「オンボード映像を見ても明らかに、僕がラインを通過した時点で赤旗の表示はなかった」と強調し、「このラップを抹消するのは完全に不当だと思う。彼ら(FIA)は一度決めたことは、たとえ間違っていても絶対に撤回しない。それが一番酷いと思う」と怒りをにじませた。

また、ハースのチーム代表である小松礼雄も「我々の見解はレースコントロールの判断とは異なります。それを裏付けるいくつかの証拠があるため、スチュワードと協議しているところです」と語り、不満をにじませた。

さらに、「結果が覆ることはありませんが、なぜそのような結論に至り、それを最後まで貫いたのか、その経緯をしっかりと理解したいのです」と述べ、説明責任の重要性を強調した。

FIAは当初、Q2を現地時間16時46分に再開すると発表していたが、その後さらに16時58分へと延期した。小松は、「Q2の開始が遅れたことからも、FIA側がその間に議論と検討を重ねていたのは明らかです」と指摘した。

さらに、「我々としては、あのラップが有効であるべきという確固たる証拠を持っています。ただ、重要なのは透明性のあるかたちでスチュワードとしっかり協議を重ねることです」と述べ、納得のいく説明と対話を求める姿勢を示した。

イモラ・サーキットのパドックを歩くハースのF1チーム代表を務める小松礼雄、2025年5月15日(木) F1エミリア・ロマーニャGPCourtesy Of Haas

イモラ・サーキットのパドックを歩くハースのF1チーム代表を務める小松礼雄、2025年5月15日(木) F1エミリア・ロマーニャGP

FIAの説明によれば、コラピントがクラッシュしたことを受け、セッションは現地時間16時32分17.6秒に赤旗中断となった。ベアマンがフィニッシュラインを通過したのは、その3.3秒後の16時32分20.9秒と判断された。その結果、ラップタイムは無効とされた。

さらにFIAは、「スタートガントリーには赤旗が表示されていた」とも説明し、判断の正当性を強調している。

似通ったケースで記憶に新しいのは、今年4月のバーレーンGP予選での一件だ。この際は、ニコ・ヒュルケンベルグ(ザウバー)のQ1ベストタイムが、Q2終了後になって抹消され、本来であればQ2に出走できていたはずのアレックス・アルボン(ウィリアムズ)が不利益を被る結果となった。


2025年F1エミリア・ロマーニャGP予選では、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)がポールポジションを獲得。2番手はマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、3番手はジョージ・ラッセル(メルセデス)という結果となった。

決勝レースは日本時間5月18日(日)22時にフォーメーションラップが開始され、1周4,909mのイモラ・サーキットを63周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNフジテレビNEXTで生配信・生中継される。

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