
角田裕毅、クルマは壊れるも「自信」は揺るがず―ホーナーも事故ではなく進捗に焦点
角田裕毅(レッドブル・レーシング)は、4月18日(金)に行われた2025年F1第5戦サウジアラビアGPの初日フリー走行を、クラッシュによる赤旗で締めくくる形となった。それでもクルマの感触には自信を示し、ショートランについては「特に問題を感じていない」と前向きな姿勢を見せた。
2回目のフリー走行(FP2)の残り10分を切ったところで角田は、ミディアムタイヤでロングランを実施していたが、最終ターン27でイン側のバリアに左フロントが軽く接触。それにより操舵を失い、アウト側のバリアに右フロントから衝突した。
幸いにも大きな怪我はなかったが、サスペンションが折れるなど車体はダメージを負い、角田は無線でチームに謝罪の意を伝えた。このアクシデントにより、セッションは赤旗中断となり、再開後は、恒例のスタート練習のみが行われた。
クラッシュについて角田はセッション後、「ターンインし過ぎてしまい、イン側のウォールに軽く接触してしまいました。それでクルマにダメージを負ってしまい、コントロールを失ってしまいました。チームには申し訳ない気持ちです。ペースが良かっただけに、残念です」と振り返った。
角田はセッション序盤、ミディアムタイヤでの計測ラップにおいて僚友マックス・フェルスタッペンを0.183秒上回るなど好調を見せたが、ソフトタイヤでのアタックでは1回目のラップを途中で中止。2回目のアタックでは6番手にとどまった。
フェルスタッペンとの差は最終的に0.416秒と大きく開いたが、それでも角田は、クルマに対して「まずまずの自信を持てていました」と語り、予選シミュレーションについては「ウォームアップなどの影響で少し妥協する形にはなりましたが、全体的にはそこまで悪くなかったと思います」と手応えを示した。
「ショートランのペースについては問題ないと思います」
一方でロングランに関しては、「自分のミスで走行時間が限られてしまったので、文句は言えませんが、最後までしっかり終えたかったです」と語った。
さらに、プレスリリースを通じては「ここまでの週末は全体的に悪くない感触ですし、なによりこのサーキットでの自信は、まだしっかりと保てています」と述べ、ポジティブな姿勢を貫いた。
ミスによりマシンを損傷させたにもかかわらず、レッドブル・レーシングのチーム代表クリスチャン・ホーナーは、クラッシュそのものではなく、角田の進捗に焦点を当てて評価を示した。
蘭専門メディア『RacingNews365』によるとホーナーは、「あれはロングラン中の出来事だった。確かにミスはミスだが、それまでは非常に良い走りをしていた。彼の自信が高まっているのが見て取れるし、タイムも上がってきている。22号車(角田のマシン)が着実に進歩しているのを見るのは嬉しい」と振り返った。
「オープニングセッションでは堅実な走りを見せてくれたし、ショートランも良かった。クラッシュは残念だが、それは限界までプッシュしていることの証拠でもある」
Courtesy Of Red Bull Content Pool
クリスチャン・ホーナー(レッドブル・レーシング代表)と並んでガレージに入る角田裕毅(レッドブル・レーシング)、2025年4月18日(金) F1サウジアラビアGPフリー走行(ジェッダ市街地コース)
なお、FP1でのレッドブルによるセットアップ上の「過激」な試みが一定の成果を挙げたのか、フェルスタッペンは首位ランド・ノリス(マクラーレン)に0.280秒差の3番手でFP2を終えている。
一方でロングランに関してはマクラーレンと差がついた。
レッドブルのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、独衛星テレビ『Sky Sports』に対し、ショートランについては一定の評価を下したが、「残念ながらロングランはあまりに遅すぎた。タイヤが酷くオーバーヒートしてしまった。予選でのスピードを維持しつつ、決勝に向けてタイヤの摩耗を抑える方法を見つけなければならない」と語った。
2025年F1サウジアラビアGPの初日FP2をトップで締め括ったのはランド・ノリス(マクラーレン)。2番手には0.163秒差で僚友オスカー・ピアストリが、3番手にはマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が続く結果となった。
FP3は日本時間4月19日(土)22時30分から、公式予選は同26時から1時間に渡ってジェッダ市街地コースで開催される。セッションの模様はDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。