
F1日本GP:恐怖の大クラッシュ、ドゥーハンの事故原因が判明―背景に“焦り”か
ジャック・ドゥーハン(アルピーヌ)は2025年F1日本グランプリ初日フリー走行2回目、高速のターン1でコントロールを失い、リアセクションが大破する大きな事故に見舞われた。その原因について、チーム代表オリバー・オークスは「DRSの閉じ忘れ」であると明らかにした。
当初はマシンの底が地面を打った(ボトミング)ことでダウンフォースが抜け、これによりコントロールを失った可能性や、追い風による影響も考えられたが、DRSのフラップが開いたままであったことから、メカニカルトラブルの可能性も浮上していた。
DRSはブレーキを踏むと自動的に閉じる仕組みだが、鈴鹿サーキットのターン1はエンジン全開区間。ゆえに手動でDRSを閉じる必要があるが、ドゥーハンはこの操作を行わずにターン1に進入し、リアのダウンフォースを失ってスピン。ウォールに突っ込んだ。例年稀に見る大きな事故だった。
オークスは「これはDRSを閉じないという判断ミスが原因だった。幸いにもジャックは無事に医療検査をクリアした。この一件から学んでほしい。明日に向けてマシンを修理するためにクルーが全力を尽くしてくれるだろう」と説明した。
当のドゥーハンは、次のようにコメントした。
「まずは僕が無事だということを伝えたい。かなり大きなクラッシュで、完全に不意を突かれてしまった。あの一件から学ぶつもりだ」
「明日に向けてチームは、クルマの修復のために大変な作業をこなさなきゃならない。みんなの努力に感謝している。FP3に向けてしっかり備えていきたい」
今回のクラッシュについては、ドライバーによる単純な操作ミス以外に、2つの要因を指摘することができる。
まず第一に、鈴鹿という極めてテクニカルコースにも拘らず、新人ドゥーハンに経験を積ませるよりも、平川亮の出走を優先させたチームの判断が挙げられる。これによりドゥーハンは、180分しかない貴重な走行時間の3分の1を失い、FP2で初めてコースインした。
平川にシートを与える必要があったのであれば、鈴鹿を熟知するピエール・ガスリーにその役目を任せる方が合理的だが、フラビオ・ブリアトーレを含む首脳陣はそうはしなかった。
第二に、ドゥーハンの置かれているチーム内での微妙な立場が、精神的なプレッシャーに繋がった可能性だ。
アルピーヌは今季開幕前、すでに複数のリザーブドライバーがいる中で、ウィリアムズに資金を支払ってまでフランコ・コラピントを新たにリザーブとして迎え入れた。こうした動きは、ドゥーハンの将来に対する不安材料となり、交代の噂が飛び交った。
開幕戦オーストラリアGPではリタイア、続く中国GPでも13位と、思うような結果を残せずにいたドゥーハンは、プレッシャーの中で鈴鹿を迎えるも、FP1での走行機会を奪われた。
単に走行時間を失ったということ以上に、ドゥーハンはチームが自身を軽視しているとの印象を強めたことだろう。プレッシャーが一層増し、焦りを感じ、その結果として判断を誤ったとしても不思議ではない。
2025年F1日本GPフリー走行2をトップで締め括ったのはオスカー・ピアストリ。ランド・ノリスが僅差でこれに続き、マクラーレンがタイムシートの最上部を独占した。
FP3は日本時間4月4日(土)11時30分から、公式予選は同15時から1時間に渡って鈴鹿サーキットで開催される。セッションの模様はDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。