
角田裕毅、下馬評を覆す圧巻の走り「ランドに感謝」トップ5で初戦へ
2025年FIA-F1世界選手権の開幕戦、オーストラリアGP予選でフェラーリ勢を退け、堂々の5番手を獲得した角田裕毅(レーシング・ブルズ)は、自身にとっても驚きの結果だと認め、また、タイムゲインの要因の一つとなったスリップストリームについて、ランド・ノリス(マクラーレン)に感謝の意を表した。
プレシーズンテスト後の段階では、中団下位の競争力が予想されていたレーシング・ブルズだが、角田は予選Q3で予想を超えるパフォーマンスを発揮。パドックを驚かせた。
角田は最も遅くコースインし、他のドライバーが既にタイムを出している中、最後のラップに全てを懸けてタイムを更新。4番手ジョージ・ラッセル(メルセデス)に0.124秒差、3番手マックス・フェルスタッペン(レッドブル)に0.189秒差と迫り、強豪フェラーリ勢を後方に抑え込んだ。
予選での角田の走りについて、レーシング・ディレクターのアラン・パーメインは「Q3のユーキは見事だった。完璧なラップでグリッド5位だ。これ以上の結果はない!明日が楽しみだ」と称賛した。
Courtesy Of Red Bull Content Pool
予選結果を喜ぶレーシング・ブルズのチームメンバー、2025年3月15日(土) F1オーストラリアGP予選(アルバート・パーク・サーキット)
クルマを降りた角田は、「今日の結果は予想外でした。5番手に入るなんて、全く思ってもみませんでした。むしろ、トップ10に入れればいいと考えていたくらいなので」と振り返った。
「厳しい争いになるとは覚悟していましたが、最終ラップは本当に魔法のようなラップで、全てをまとめ上げることができました」
最終ラップのミドルセクターでは、ポールポジションを獲得したノリスのスリップストリームを得る場面があった。角田は、「ランドがくれたトゥも助けになりました。感謝しています」と語った。
また、オフシーズンを通して2025年型マシン「VCARB 02」の開発に尽力したメンバーにも感謝の意を表し、その努力をねぎらった。
「このラップタイムは予想外でしたが、週末を通してクルマは一貫して良いパフォーマンスを見せていました。チームは本当に、本当に努力してくれましたし、アブダビ以来の大きな進歩には正直驚いています。この結果からも、オフシーズンにどれだけ努力してきたかが分かります。本当に素晴らしい仕事をしてくれたチームに感謝しています」
VCARB 02は、まだ開発途上という評価を受けていたが、角田の走りによってその競争力が証明された形だ。
Courtesy Of Red Bull Content Pool
アルバート・パーク・サーキットを走行する角田裕毅(レーシング・ブルズ)のVCARB 02、2025年3月15日(土) F1オーストラリアGP予選(アルバート・パーク・サーキット)
一方で、予選が行われた土曜とは異なり、決勝レースが行われる日曜の現地メルボルンは雨が予想されている。
それでもなお角田は、「クルマのセットアップは万全ですし、良いパフォーマンスができると自身を持っているので、明日のレースが楽しみです。兎に角、集中するのみです」と語り、決勝に向けた意気込みを見せた。
2025年F1オーストラリアGP予選では、ランド・ノリスがポールポジションを獲得。2番手にランド・ノリスが続き、マクラーレンが最前列を独占した。3番手にはマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が続いた。
決勝レースは日本時間3月16日(日)13時にフォーメーションラップが開始され、1周5278mのアルバート・パーク・サーキットを58周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。