アイザック・ハジャー(ハイテックGP)、2023年7月20-23日 FIA フォーミュラ2選手権(ハンガロリング)
Courtesy Of Red Bull Content Pool

アイザック・ハジャー

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人物データ

名前 アイザック・ハジャー / Isack Hadjar
国籍 フランス
出身地 パリ
生年月日 2004年09月28日 / 20歳
身長 167cm
体重 65kg
F1デビュー 2025年
カーナンバー 6
WEBサイト isackhadjar.com
SNS instagram

アイザック・ハジャー(Isack Hadjar)はフランス・パリ出身のレーシングドライバー。レッドブル・ジュニアチームの一員として2024年のFIA-F2選手権に参戦し、ランキング2位を獲得。2025年には角田裕毅のチームメイトとして、レーシング・ブルズからF1デビューを果たす。

父はアルジェリア・アルジェ出身の物理学者で研究者のヤシン・ハジャー、母はリビア系アルジェリア人。フランスとアルジェリアの二重国籍を持つが、モータースポーツではフランスのライセンスで参戦している。父は元アマチュアレーサーであり、幼少期のハジャーにカートを勧めた。

グランプリ・デビューに先立ちエルマノス・ロドリゲス・サーキットを歩いて下見するアイザック・ハジャー(スクーデリア・アルファタウリ)、2023年10月26日(木) F1メキシコGPCourtesy Of Red Bull Content Pool

グランプリ・デビューに先立ちエルマノス・ロドリゲス・サーキットを歩いて下見するアイザック・ハジャー(スクーデリア・アルファタウリ)、2023年10月26日(木) F1メキシコGP

キャリアの歩み

近年のF1ドライバーとしては珍しく、ジュニアカテゴリーで一度もタイトルを獲得せずにF1昇格を果たした。しかし、それは彼の才能を否定するものではない。一発の速さは証明済みであり、今後の課題はレース全体の戦略と安定感にある。

シリーズ・概要 出走 優勝 ポール 表彰台 順位
2018 ジネッタ・ジュニア・ウィンター選手権 3 0 0 0 NC
2019 フランスF4選手権 20 1 0 2 7位
2020 F4 UAE選手権 8 0 0 0 11位
フランスF4選手権 21 3 2 11 3位
2021 フォーミュラ・リージョナル欧州選手権 20 2 1 5 5位
F3アジア選手権 9 0 0 5 6位
2022 フォーミュラ・リージョナル・アジア選手権 15 2 1 5 3位
FIA-F3選手権(ハイテック) 18 3 1 5 4位
2023 FIA-F2選手権(ハイテック) 26 0 0 1 14位
アルファタウリF1テストドライバー
レッドブルF1テストドライバー
2024 FIA-F2選手権(カンポス) 28 4 1 8 2位
レッドブルF1リザーブドライバー
RB F1リザーブドライバー
2025 F1(レーシング・ブルズ)

カート時代(2012-2018年)

ハジャーは、アマチュアドライバーだった父の影響で2012年にカートを始めた。2年間フランス国内の選手権に参戦した後、2018年にはヨーロッパ選手権のジュニアカテゴリーにステップアップし、ジャック・クロフォードらを抑えて勝利を挙げた。

ジュニアフォーミュラ(2018-2024年)

2018年末、ジネッタ・ジュニア・ウインター選手権に参戦し、初めてフォーミュラカーを経験。翌2019年にはフランスF4にステップアップし、スパ・フランコルシャンでの初優勝を含む3度の表彰台を獲得し、ランキング7位となった。

2020年末にはUAE F4選手権にスポット参戦し、わずか2大会の出場ながら56ポイントを獲得。その後、フランスF4選手権の2年目に挑み、優勝3回、ポールポジション2回、表彰台11回を記録してランキング3位を獲得した。

2021年にはフォーミュラ・リージョナル・ヨーロッパ(FRECA)とF3アジア選手権に参戦。FRECAでは開幕戦モナコと最終戦モンツァで勝利を挙げ、ランキング5位と同時にルーキー王者のタイトルを獲得した。F3アジア選手権ではスポット参戦ながら、ヤス・マリーナで3度の表彰台を獲得し、シリーズ6位となった。こうした活躍が評価され、シーズン途中の6月にレッドブル・ジュニアチームに加入した。

2022年にはハイテックGPからFIA-F3選手権にステップアップ。開幕戦バーレーンのスプリントレースでは、オリバー・ベアマンを破って優勝し、シーズンを通じてタイトル争いを展開。最終的にランキング4位となり、レッドブルのモータースポーツ・アドバイザーであるヘルムート・マルコに「2024年のF1昇格候補」と評価された。

FIA-F3選手権第5戦レッドブルリンクで表彰台に上がったアイザック・ハジャー、2022年7月10日Courtesy Of Red Bull Content Pool

FIA-F3選手権第5戦レッドブルリンクで表彰台に上がったアイザック・ハジャー、2022年7月10日

F3での成功を受け、2023年にハイテックGPからFIA-F2選手権へ昇格。しかし、ペナルティやマシントラブルに苦しみ、唯一の表彰台はオーストリアのスプリントレース(3位)のみ。ランキング14位でシーズンを終えた。この年のメキシコGPとアブダビGPでは、スクーデリア・アルファタウリ(現レーシング・ブルズ)およびレッドブルからF1フリー走行に参加した。

2024年はカンポス・レーシングに移籍。シーズンを通してガブリエル・ボルトレートとタイトル争いを展開するなど飛躍の年となったが、最終戦ヤス・マリーナではスタートミスが響き、チャンピオンを逃してランキング2位に終わった。モナコではバーチャル・セーフティーカー(VSC)の影響で勝利を逃し、結果的には5勝目の可能性もあった。

同年のF1イギリスGPとアブダビGPでは、レッドブルRB20でフリー走行に参加。シーズン中盤にはダニエル・リカルドの離脱に伴い、レッドブルおよびRB(後のレーシング・ブルズ)のリザーブドライバーに就任した。