インテルラゴス・サーキットを周回する周冠宇(ザウバー)とエステバン・オコン(アルピーヌ)、2024年11月1日(金) F1サンパウロGP
Courtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

F1サンパウロGPスプリント:タイヤ戦略とペナ適用後のグリッド…天候とアルボン指摘の「紙ヤスリ」はサプライズを生むか?

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日本時間11月2日(土)23時にスタートを迎える2024年シーズンのF1第21戦サンパウロGPスプリントのスターティング・グリッドが発表された。予選結果からの変動、および予想されるスタートタイヤ戦略、気になる天気を見ていこう。

スターティンググリッド

スプリント予選4番手のマックス・フェルスタッペン(レッドブル)は、今季6基目のICE(内燃エンジン)を開封して5グリッド降格ペナルティを受けたが、これは日曜のレースに適用されるため、スプリントのグリッドへの影響はない。

一方で、アストンマーチン勢と周冠宇(ザウバー)の3名は、パルクフェルメ下でクルマに変更を加え、ピットレーンからのスタートを命じられた。

最前列を独占したマクラーレンは、フェルスタッペンとのタイトル争いを考慮し、ポールポジションのオスカー・ピアストリにチームオーダーを発動する可能性がある。ピアストリはランド・ノリスに勝利を譲り、2位に甘んじる用意があるとしている

フェルスタッペンは4番グリッドに並ぶが、レッドブルRB20は再舗装されたインテルラゴスのバンプによって競争力を発揮できておらず、3度のF1ワールドチャンピオンは厳しい週末になると予想している。

フェラーリはシャルル・ルクレールが3番手、カルロス・サインツが5番手と遅れを取ったが、SF-24が強みとするタイヤに対する攻撃性の低さは、アレックス・アルボン(ウィリアムズ)が「紙ヤスリ」と評した路面の粗さと、これに伴うデグラデーションを背景に、ライバルに対して強力なレースペースを発揮する可能性がある。

スプリント予選を経てアルボンは「ここのデグラデーションはホント、信じられないレベルだ。このコースはまるで紙ヤスリみたいなんだ!面白いレースになると思うよ」と苦笑いを浮かべた。

以下は暫定スターティンググリッド。正式版との差異が発生した場合は更新される。予選結果からの変動値を合わせて記す。

Pos No Driver Team Qualifying
1 81 O.ピアストリ マクラーレン・メルセデス 1(-)
2 4 L.ノリス マクラーレン・メルセデス 2(-)
3 16 C.ルクレール フェラーリ 3(-)
4 1 M.フェルスタッペン レッドブル・ホンダRBPT 4(-)
5 55 C.サインツ フェラーリ 5(-)
6 63 G.ラッセル メルセデス 6(-)
7 10 P.ガスリー アルピーヌ・ルノー 7(-)
8 30 L.ローソン RB ホンダRBPT 8(-)
9 23 A.アルボン ウィリアムズ・メルセデス 9(-)
10 50 O.ベアマン ハース・フェラーリ 10(-)
11 44 L.ハミルトン メルセデス 11(-)
12 27 N.ヒュルケンベルグ ハース・フェラーリ 12(-)
13 11 S.ペレス レッドブル・ホンダRBPT 13(-)
14 43 F.コラピント ウィリアムズ・メルセデス 14(-)
15 77 V.ボッタス ザウバー・フェラーリ 15(-)
16 31 E.オコン アルピーヌ・ルノー 17(+1)
17 22 角田裕毅 RB ホンダRBPT 18(+1)
18 14 F.アロンソ アストンマーチン・メルセデス 16(-2)
19 18 L.ストロール アストンマーチン・メルセデス 19(-)
20 24 周冠宇 ザウバー・フェラーリ 20(-)

レースの模様はDAZNフジテレビNEXTで完全生配信・生中継される。

想定されるスタートタイヤ

タイヤ交換義務がないため、注目はスタートタイヤとなる。

昨年のスプリントでは、3台を除く全車がソフトをスタートタイヤに選んだ。ピレリが今週末に持ち込んだコンパウンドは昨年より1段階柔らかいため、昨年のソフトは今週末のミディアムに相当する。

ピレリのチーフエンジニアを務めるシモーネ・ベッラは、「スプリントレースの本命は明らかにミディアムだ」と強調した。

とは言え、再舗装された路面は、多くのドライバーの予想に反して、かなり荒れていることが判明しており、驚きの戦略を採る者もあるかもしれない。

気になる天気は…

ミディアムが本命とは言え、それはドライレースの場合に限られる。最大の懸念事項は天候だ。

土曜午前の現地サンパウロは曇り時々晴れの予報で、スタート時刻の現地11時から3時間ほどは持ち堪えそうな雰囲気だが、現地14時以降は雷雨の予報が出ており、ウェットレースの可能性は否定できない。

新しい路面が濡れた際のグリップレベルは未知数であり、特に再舗装直後の路面は表面に油が浮きやすく、グリップが著しく低下する傾向にあるため、そうなった場合のレースは全く予想がつかなくなる。

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