F1関与減の近年から一転…ニューウェイ、最大の課題「車体とホンダとの統合」に向け再び第一線へ
エイドリアン・ニューウェイは過去2年、設計や研究という点でF1プロジェクトから少し距離をおいていたが、アストンマーチン移籍後は毎日オフィスに通勤し、フルタイムで仕事に取り組む予定だ。
1.6リッターV6ハイブリッド・ターボエンジン導入以降、ニューウェイがレッドブルのF1プロジェクトに関わる度合いは、シーズン毎に異なっていた。ルノーPUの競争力不足に直面し、これに絶望したニューウェイは一時関与を減らしていたが、ホンダとのワークス契約が再び彼を第一線へと引き戻した。
アストンとの契約発表会見でニューウェイは「周知の通り、2014年にハイブリッドエンジンが導入されると、我々には競争力のあるPUがなく、出口が見えない状況に陥った」と語った。
「そこで私は別のプロジェクトにも携わる必要を感じた。それがヴァルキリーだった。ただホンダのPUを手にしたことで状況が大きく変化した」
「ホンダと仕事を続けていけることを本当に嬉しく思っている。レッドブルで過去6年に渡って彼らと共に仕事をするのは本当に楽しかった」
「最高のエンジニア集団なんだ。一緒に仕事をするのは本当にスムーズだった」
ニューウェイによると、「本格的にF1側に復帰」して車体の設計・研究に取り組んだのは以下のシーズンだ。
- 2018年(RB14)
- 2019年(RB15)
- 2020年(RB16)
- 2021年(RB16B)
- 2022年(RB18)
2022年のRB18はグランドエフェクトカー規定が導入された初年度のマシンだ。当初は重量過多という問題を抱えていたが、シーズンを経る毎に軽量化が進められ、22戦で計17勝を飾り、翌2023年のRB19は21レースで勝利を収めた。
RB18の成功を経てニューウェイは再び第一線から距離を取り始めた。
「チームは今や大いに成熟しており、2023年型や今年のマシンに関しては2022年型の進化形であるため、2022年型のデザイン、研究というピークを乗り越えた後は少し退くことができた」とニューウェイは説明した。
一方で2025年3月1日以降、ニューウェイはアストンマーチンに合流した後、毎日オフィスに足を運び、製図板と向き合うことになる。
エグゼクティブ・チェアマンのローレンス・ストロールは「日常的にはフルタイムでここに常駐してF1に専念する」と説明した。
「全く異なるものになる。これは新しい挑戦、新しい刺激だ。私はチームにとって最善だと感じることに取り組んでいく」とニューウェイは付け加えた。
2026年の新たなレギュレーションの発表は2025年の1月初頭に予定されている。その2ヶ月後にチームに加わるニューウェイにとって、アストンでの最初の仕事における最大の焦点は、ホンダPUと車体との統合だ。
次世代レギュレーションの取り組みにおける自身にとっての最大の課題について問われたニューウェイは「どのF1チームでも同じことだが、我々には空力、機械設計、車両性能または車両ダイナミクスという3つの主要部門がある」と語った。
「そのため、これらの部門とホンダPUとの間で相乗効果を確実に生み出せるように努めるつもりだ。なぜならおそらくは、PUとシャシーの相互作用はこれまで以上に大きくなるからだ。総合的なプロダクトを生み出すことが目的だ」