角田裕毅のDNFを悔やむメキーズ、RBのイタリアGPは「ヒュルケンベルグによって決定づけられた」
F1イタリアGPを経てRBのローラン・メキーズ代表は、ニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)の衝突により角田裕毅がリタイヤを余儀なくされたことで、アップグレードに関するデータが収集できなかったことに対する苛立ちを口にした。
モンツァ・サーキットでのRBにとっての今季2回目のホームレースは、2台のVCARB 01が相次ぎヒュルケンベルグと接触する展開となり、2戦連続のノーポイントに終わった。
ダニエル・リカルドはオープニングラップで、アスカリ・シケインのアウト側から仕掛けてきたヒュルケンベルグと接触して16番手にまで後退した。スチュワードはリカルドに責任があるとして5秒ペナルティと1点のペナルティポイント(累積3点)を科した。
ヒュルケンベルグはその後、4周目のターン1でイン側に飛び込んで角田裕毅の脇腹に突っ込んだ。1周目の2ポジションアップ虚しく角田裕毅は、フロアに大きなダメージを負ったことで早々のリタイヤを強いられた。
ジョニー・ハーバートを含むモンツァのスチュワードは、ヒュルケンベルグに責任があるとして10秒ペナルティと2点のペナルティポイント(累積4点)を科した。
メキーズは「今日のレースはヒュルケンベルグによって決定づけられたと言えるだろう」と1日を振り返った。
「ダニエルが5秒ペナルティを受けたのは彼をコース外に追いやったためで、その後ニコが接触したことでユーキはリタイアを余儀なくされた」
RBは当初、次のアップグレードをアゼルバイジャンで導入する予定だったが、ファクトリーの懸命の働きにより1セットをモンツァに持ち込むことに成功し、これを角田裕毅の22号車に搭載した。
このアップグレードには、車体性能の底上げを目指して床下のプロファイルを変更した新型フロアボディ、気流改善のために形状を見直したヘイローフェアリングなどが含まれていた。
オーバーテイクが困難なモンツァでの16番グリッドは、ポイント獲得の可能性がほぼないことを意味するものだった。故に、53周のレースを完走してアップグレードに関するデータを収集することが現実的な最優先事項であったが、このタスクを完了させることはできなかった。
メキーズは「ユーキのリタイアで最も悔やまれるのは、今回導入したアップデートに関する40周分のデータを失ったことだ。それがあれば理解を深めることができただろう」と語った。
手の及ばない状況に翻弄された点があったのは確かだが、そうではない点もあった。
インシデントの責任を問われて5秒ペナルティを受けたリカルドは、ピットストップでこれを消化しようとしたものの、停止した際にピットクルーがクルマに手を触れために適切に消化しなかったとみなされた。そのため追加で10秒が科され、12位フィニッシュの最終13位という結果に終わった。
メキーズは再発防止策を講じる方針を示しつつも、今回のミスは例外的なものだとしてピットクルーを擁護した。
「こうした状況下での手順を見直し、今日のミスから学ぶ必要があるが、こういったことは起こり得るもので、ピットクルーの今シーズンの作業は全体として非常に優れていると思う」とメキーズは語る。
「ペナルティがなかったとしても、ダニエルがポイントを獲得するのは難しかっただろうという事実は否めない。中団グループのトップに返り咲くためにはパフォーマンスの向上が必要不可欠だ。次のバクーに向けて、今回収集したデータの分析に取り組んでいく」
RBは4日(水)に行われるピレリのタイヤテストに参加するためモンツァに留まる。
2024年F1第16戦イタリアGPでは、4番グリッドからスタートしたシャルル・ルクレール(フェラーリ)が1ストップ戦略を採って逆転優勝を飾った。2位はオスカー・ピアストリ、3位はランド・ノリスと、マクラーレン勢がこれに続いた。
バクー市街地コースを舞台とする次戦アゼルバイジャンGPは9月13日のフリー走行1で幕を開ける。