大改良炸裂ハース、フェラーリPU搭載マシン最速6番手も「もっと上もあり得た」と小松礼雄
ハースF1チームは7月6日のF1イギリスGP公式予選で、ケビン・マグヌッセンこそ17番手でQ1敗退を喫したものの、ニコ・ヒュルケンベルグはシルバーストンでのハース史上予選最高成績となる6番手をマークした。
ハースはイギリスに、フロア、サイドポッド・インレット、エンジンカバー等、広範に渡る大掛かりなアップグレードを持ち込んだ。
レッドブルやフェラーリ、アストンマーチンやRBが象徴的なように、現行グランドエフェクトカーの開発が限界点に達しつつある今季はメジャーアップグレードの成功確率が極めて低いが、ハースは見事、大改良でクルマを進化させることに成功した。
ヒュルケンベルグは「昨日の午後のFP2で導入したアップデートが功を奏したと思う。本当に効果があったし、すぐに馴染むことができた。間違いなく素晴らしいことだ。いつもそうとは限らないからね。チームは本当によくやってくれたと思うし、本当に満足だ」と振り返った。
6番手という結果は、フェラーリ製F1パワーユニット搭載車両としての最速記録でもあった。カルロス・サインツはヒュルケンベルグに0.171秒及ばず7番手に留まり、シャルル・ルクレールは11番手でQ2ノックアウトを喫した。
それでもチーム代表を務める小松礼雄は、さらに上の結果もあり得たと考えている。ヒュルケンベルグと4番手マックス・フェルスタッペン(レッドブル)との差は0.135秒だった。
「コンディション的に本当に難しく、今日は非常に多事多端な1日でした」と小松礼雄は振り返る。
「FP3ではインターミディエイト・タイヤでのクルマの挙動について理解を深めることができたと思います。Q1では路面がドライになると予想してインターの使用を見送ることにしました」
「ニコの方はなんとかQ1を突破することができましたが、十分な余裕を持たせることはできず、また、ケビンの方はコースアウトしたために通過することができなかったので、この点を見直して改善する必要があります」
「ドライ・コンディションなった後のニコは本当に素晴らしいことに6番手という結果を残してくれましたが、もっと上もあり得たと思います。フライングラップ中にコーナーで1つミスがありましたので」
「ただ、それでもなお今回のアップグレードが功を奏したことは本当に嬉しいことです。チームの努力が報われました」
「明日は最高のポジションからレースをスタートすることになります。何ができるのかについて、これから検討していこうと思いますが、今はチーム全員の素晴らしい仕事ぶりに満足しています」
予選Q1終盤にコプス(ターン9)でコースアウトしたマグヌッセンは残り1分の段階でトップ10圏内につけていたものの、これ以上、路面が改善する見込みはないとの判断に基づきピットインした後、再びコースに出ることはなく、続々と自己ベストを塗り替えるライバルによって蹴落とされてしまい17番手で予選を終えた。
Q1敗退についてマグヌッセンは「今回もペースの問題ではなく、他の理由で突破できなかったんだ」と強調した。
2024年F1イギリスGP予選ではジョージ・ラッセルがポールポジションを獲得。2番手にルイス・ハミルトンが続いたことでメルセデスが最前列を独占する結果となった。
決勝レースは日本時間7月7日(日)23時にフォーメーションラップが開始され、1周5891mのシルバーストン・サーキットを52周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。