今季3度目Q1敗退、ペレスに飛ぶ「シート喪失の重圧?」の質問…19番手からF1イギリスGP決勝へ
時を経る毎に各方面でシート喪失の可能性を伝える報道が増える中、セルジオ・ペレス(レッドブル)は2024 F1第12戦イギリスGP公式予選で今季3回目のQ1敗退を喫した。
Q1残り7分30秒、ペレスはコプス(ターン9)でオーバーステアに見舞われ、滑りやすいランオフを通り越してグラベルに捕まり赤旗と、19番手に終わった。
「本当に悔しい。チームのみんなを失望させてしまった。僕は最初にスリックタイヤに履き替えた一人だった。あの時点ではタイヤにできるだけ熱を入れる必要があった」とペレスは振り返る。
「ターン9に差し掛かったところでシフトダウンしたところ、リアがロックしてコース外に飛び出してしまった。ランオフは完全に水浸しで、何とかそのまままっすぐ走ろうとしたけどクルマのコントロールを失ってしまった」
「タイヤが酷く冷えていて、コンディションに翻弄されてしまった」
グラベルに捕まってしまった時の心境については「脱出を試みたけど、一旦、ハマってしまうとできることは何もなかった。本当にフラストレーションが溜まる」と答えた。
「特に今週末はこれまでのところ凄く良い感じだっただけに、チーム全体に迷惑をかけてしまって辛い。運が悪いことに本当のペースを発揮することができなかった」
Perez has come off at Copse and can't get moving again 😫#F1 #BritishGP pic.twitter.com/7ojJbUGKIx
— Formula 1 (@F1) July 6, 2024
イギリスGPの週末に先立っては、レッドブル上層部からの情報として独auto Motor und Sportがいち早く、ペレスがシート喪失の危機に直面しており、ダニエル・リカルド(RBフォーミュラ1)が後任を務める可能性があると報じた。他方ではリアム・ローソンや角田裕毅を後任と見る筋もある。
デッドラインはサマーブレイクと見られており、それまでに現状を打開できない場合はパフォーマンス条項に基づきシートを失う可能性があるとされるが、今回のミスは憶測に伴うプレッシャーから来たものではないとペレスは否定する。
米ESPNによるとペレスは「いやいやいや、それとは何の関係もない」と語った。
「僕は自分の仕事に、そして自分のパフォーマンスを最大限に引き出すことに完全に集中しているし、自分がどこにいるべきかも心得ている」
「昨日は本当に良い一日を過ごせていたし、状況は良い方向に向かっていたんだ。だから状況を好転させるのは時間の問題だ」
この先の数か月間に渡ってチームでの今の立場を維持できる自信はあるか?との質問に対しては「もちろんだ。僕はチームに、そして自分のキャリアに全力を尽くしている。それに契約もある。状況を好転させるつもりだし、それは僕を煩わせたりするようなものじゃない」と答えた。
なお同じくコプスではペレスだけでなく、チームメイトのマックス・フェルスタッペンやニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)もコースオフを喫した。
ペレスの不調により、単騎でマクラーレンやメルセデスと戦うことになるという状況についての見解を問われたフェルスタッペンは「分かっていると思うけど、僕はそれについて考えないようにしている」と語った。
「結局のところ、自力でやらなきゃならないんだ。誰かがレースで優勝するのを手伝ってくれるわけじゃないからね。自分の力で戦わないと。もちろん、Q1でチェコがいなくなってしまったのは本当に残念だった」
ペレスが最後にトップ5フィニッシュしたのは第6戦マイアミGPだ。その時点でペレスはフェルスタッペンと33ポイント差のランキング2位につけていたが、以降は8位が2回、7位が1回、そしてリタイヤが2回と低迷しており、予選Q3に進出したのは僅か1度に留まる。
結果、この間に積み重ねたポイントは僅か14点に過ぎず、ランキングでも5位までに後退し、チームメイトとの差は119ポイントにまで拡大した。
2024年F1イギリスGP予選ではジョージ・ラッセルがポールポジションを獲得。2番手にルイス・ハミルトンが続いたことでメルセデスが最前列を独占する結果となった。
決勝レースは日本時間7月7日(日)23時にフォーメーションラップが開始され、1周5891mのシルバーストン・サーキットを52周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。