角田裕毅、失望隠さず「ポジティブな要素は何もない」ペースなく戦略も”有効機能”せず14位
6月30日(日)のF1第11戦オーストリアGP決勝レースを14位で終えた角田裕毅(RBフォーミュラ1)は「ポジティブな要素は何もありませんでした」と振り返り、抱えた失望を隠そうとはしなかった。
レースについて振り返るよう求められた角田裕毅は「スタートは良かったのですが、なぜか最後には他のみんなに遅れを取ることになってしまいました」と語った。
「何が起こったのか、正直なところ分かりません。不可解なレースでした」
14番グリッドに着いた角田裕毅は中団グループの中で誰よりも長く第1スティントを引っ張り、21周目にハードに履き替えると、最終的に10位入賞を果たすことになるピエール・ガスリー(アルピーヌ)の後方でコースに復帰した。
第2スティントに向けてはアレックス・アルボン(ウィリアムズ)にアンダーカットを許すも、37周目のターン3でオーバーテイク。ポジションを戻して13番手に浮上したが、44周目に最後のピットストップを経てコースに戻ると再びアルボンの後方に。さらに、57周目にはシャルル・ルクレール(フェラーリ)にも交わされ16番手にまで後退した。
ただ、接触によりランド・ノリス(マクラーレン)がリタイヤし、ピットエントリーの白線を横切ったとしてアルボンが5秒ペナルティを受けため最終14位となった。
望んでいた結果でないにせよ、VCARB 01のアップグレード・パッケージは明らかに改善しており、僚友ダニエル・リカルドは9位でポイントを持ち帰った。
クルマの改善を含めて前向きな要素もあったのでは?と問われた角田裕毅は「今週、少なくともこのレースに関しては、ポジティブなことは何もありませんでした」と否定した。
「正直言って、ペースがあまりにも悪すぎました。なので、その原因を突き止めなければなりません」
角田裕毅のレース内容について車両パフォーマンス部門のチーフエンジニアを務めるクラウディオ・バレストリは、リカルドが12番手、角田裕毅が13番手に浮上した2周目の段階で、2台の戦略を分ける決断を下したと説明した。
「第1スティントではダニエルを(早めに)ピットインさせる一方、ユーキをステイアウトさせ、戦略を2つに分けることにした」
「アンダーカットが功を奏してダニエルは2台のアルピーヌからポジションを奪うことができたが、レースの最後までハースの2台は彼の前に留まり続けた」
「ユーキのレースは少し異なる展開で、もう少しばかり困難なものとなった」
「ミディアムタイヤを履いた最初のスティントを引っ張ることにした。似たような戦略を取る前走車(アルピーヌ)と遜色ないペースだったが、最終スティントが短くなったため、そのアドバンテージを最大限に生かすことができず15位でフィニッシュした」
チーム代表を務めるローラン・メキーズは「ユーキは予選と決勝レースの双方でほんの僅かに遅れていただけだったが、中団の戦いはこれまで以上に激しく、今日はポイント圏外となってしまった」と付け加えた。
2024年F1第11戦オーストリアGP決勝レースでは3番グリッドからスタートしたジョージ・ラッセル(メルセデス)が通算2勝目を上げた。2位はオスカー・ピアストリ(マクラーレン)、3位表彰台にはカルロス・サインツ(フェラーリ)が滑り込んだ。
シルバーストン・サーキットを舞台とする次戦イギリスGPは7月5日のフリー走行1で幕を開ける。