ランド・ノリス(マクラーレン)との接触を経て5位に終わったレース後に報道陣の質問に答えるマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、2024年6月30日F1オーストリアGP
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衝突ペナ「馬鹿馬鹿しい」とフェルスタッペン、制動中の進路変更を否定…ノリスの”急降下爆撃”を指摘

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ランド・ノリス(マクラーレン)との接触の責任を問われて科されたF1オーストリアGPでのペナルティについてマックス・フェルスタッペン(レッドブル)は納得せず、無線を通して「馬鹿馬鹿しい」と不満を示した。

責任はフェルスタッペンにあり、と審判団

最終ピットストップで左リアの交換に手間取り6.5秒をロスしたことで、リードを大幅に失いノリスに接近を許したフェルスタッペン。レッドブル・リンクで優勝を争った両者は残り8周目のターン3で接触した。

ノリスは左後輪が、フェルスタッペンは右前輪がパンクし、スロー走行する2台を横目にジョージ・ラッセル(メルセデス)が勝利をかっさらった。

ジョニー・ハーバートを含む4名の競技審判団は、横並びになってターン3にアプローチした際に「ターンインする前に(ノリスがいた)左側に移動した」として、接触の「主な責任」はフェルスタッペンにあると判断。10秒ペナルティと2点のペナルティポイント(累積4点)を科す決定を下した。

ペナルティが科されたことをレースエンジニアのジャンピエロ・ランビアーゼから知らされたフェルスタッペンは「全く馬鹿げている。手当たり次第じゃないか。一体、僕にどうしろって言うんだ?」と返した。

これに対してチーム代表のクリスチャン・ホーナーが「マックス、彼のあの動きは良くなかった。酷く運が悪かった。でも君は全力を尽くした」と声を掛けると、「そうだね、でも正直、レースそのものも最悪だった。改善しなきゃならない点が山積みだ」と返した。

制動中の進路変更を否定

ノリスはバトルの最中、ブレーキを踏んだ後に進路を変更したとして、無線を通してフェルスタッペンのドライビングに対する不満を何度か訴えていたが、当人はこれを否定した。

「傍から見ていると、いつ僕がブレーキをかけているのか分かりにくいと思う。これに関しては前に、ちょっとした不満の声が(僕に)上がっていけど、今はステアリングを動かす際は常に、ブレーキを掛ける前にやるようにしている」とフェルスタッペンは語る。

「傍から見て僕がブレーキング中に動いたと言うのは簡単だけど、何をしているのか一番よく分かっているのは実際にクルマに乗っている本人だと思う」

また、ノリスの仕掛けの幾つかは「急降下爆撃」のようで、かなりのリスクを伴うドライビングだったとも指摘した。

「彼はブレーキを掛けるのが酷く遅く、そのまま真っ直ぐに進んでしまいそうな感じだった。ある時は僕がソーセージ縁石を回避しなきゃならなかった。そうでなければ彼と接触してしまうところだった」

「だからこういう問題を引き起こすコーナーの形状も一因だと思う。僕も逆の立場で経験したことがある。どうしようもない。もちろん接触するのは決して良いことじゃない」

直接対話の意向

フェルスタッペンはソフトタイヤに交換してコースに戻り5位でフィニッシュしたが、パンクを経てピットへと戻る最中にクルマに深刻なダメージを負ったノリスはリタイヤした。

ノリスとフェルスタッペンはかねてより良好な関係を築いてきた。フェルスタッペンは一件について直接話し合う意向を示したが、双方が冷静になるまで時間を空けるべきだと考えている。

「もちろん、これについては2人で話すつもりだけど、今はそのタイミングじゃないと思う。理想的には少し冷静になってからの方がいい」とフェルスタッペンは語る。

「何が問題だったのかを正確に把握するために、映像を見直してみた方が良いと思う。というのも、接触した角度がちょっと、気まずいというか、かなり奇妙だったからね」

「もちろん残念に思ってる。単純にこんなことは起きてほしくない。今は気軽に色々言えてしまうから、見直してみるつもりだ」

「それはさておき僕としては、レースでのパフォーマンスや、普段ならやらないミスを犯してしまったことの方が腹立たしく感じている」

ノリス、対応次第では友情に亀裂か


2024年F1第11戦オーストリアGP決勝レースでは3番グリッドからスタートしたジョージ・ラッセル(メルセデス)が通算2勝目を上げた。2位はオスカー・ピアストリ(マクラーレン)、3位表彰台にはカルロス・サインツ(フェラーリ)が滑り込んだ。

シルバーストン・サーキットを舞台とする次戦イギリスGPは7月5日のフリー走行1で幕を開ける。

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