報道陣の質問に応えるダニエル・リカルド(RBフォーミュラ1)、2024年6月27日F1オーストリアGP
Courtesy Of Red Bull Content Pool

マルコの「小突き」を意に介さないリカルド、RB残留の可能性は消滅していない?

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リアム・ローソンが「近い内」にRBのレギュラードライバーを務めることになるとヘルムート・マルコが仄めかしたことを受けダニエル・リカルドは、シートを失う可能性を覚悟しているとしつつも、その発言を意に介さない姿勢を見せた。

セルジオ・ペレスの新たな契約延長により、リカルドのRB起用の当初の目的であったレッドブル昇格の道は絶たれた。これを引き合いにマルコがシート喪失の可能性に言及したため、F1オーストリアGPでは必然的にリカルドに注目が集まった。

パドックに到着するヘルムート・マルコ(レッドブル・レーシング・チームコンサルタント)、2024年6月8日(土) F1カナダGP最終フリー走行(ジル・ビルヌーブ・サーキット)Courtesy Of Red Bull Content Pool

パドックに到着するヘルムート・マルコ(レッドブル・レーシング・チームコンサルタント)、2024年6月8日(土) F1カナダGP最終フリー走行(ジル・ビルヌーブ・サーキット)

昨年までであれば、ドライバー人事に関するマルコの発言は絶対的な意味を持っていたが、不適切な行為があったとされる疑惑と混乱を経てレッドブルのクリスチャン・ホーナー代表は、逆に自らの立場を強化したとも見られており、そのホーナーはリカルドを支持する立場であると見られている。

それを踏まえてなお、マルコの発言がリカルドにとって朗報でないことは確かだが、34歳のオーストラリア人ドライバーは自らのパフォーマンスを高め、良い結果を積み重ねることができればシートを維持できると信じている。

レッドブル・リンクのパドックを歩くダニエル・リカルド(RBフォーミュラ1)、2024年6月27日F1オーストリアGPCourtesy Of Red Bull Content Pool

レッドブル・リンクのパドックを歩くダニエル・リカルド(RBフォーミュラ1)、2024年6月27日F1オーストリアGP

英AUTOSPORTによると、マルコの発言についてリカルドは「正直、問題ないよ。それによって僕がやることが変わるわけじゃないからね」と語った。

「変な話だけど、ヘルムートから小突かれるのを時々、楽しんでいるんだ。それは自分を奮い立たせ、ベストを尽くそうって思うきっかけにもなる」

「このスポーツで最も重要なのがパフォーマンスだってことは分かってる。それしかない。それは僕がここに留まるための最大のチャンスを与えてくれる」

「笑顔やその他のことじゃなく、コース上でのパフォーマンスが重要だ。だから僕には明らかにチャンスがある」

「もちろん僕としては夏休みまでは、と言うけど、それが期限だとは思っていない。でもシーズン前半はそれを念頭に置く」

「できる限りのことをして、自分の立場を守ろうと思う」

早々に2025年のRB残留を決めた角田裕毅は2戦前のカナダGPで、予選8番手ながらもポイント圏外14位フィニッシュに終わったが、リカルドは予選5番手から8位入賞を果たした。

また前戦スペインGPでは予選18番手と、角田裕毅(17番手)に遅れを取ったが、レースでは角田裕毅が19位に終わった一方、リカルドは15位でフィニッシュした。

「バルセロナでの15位は到底満足できない結果だけど、自分のレースには本当に満足しているし、少なくともここ2戦は良い週末だったと言えると思う」とリカルドは語る。

「今シーズンは良い結果を続けられないことが問題だった。もちろん2戦というのは僕が望んでいるものに対して十分ではないけど、この先にはまだ夏休みに向けて勢いをつけるチャンスがある」

2025年に向けての選択肢はRBのみだと認めるリカルドは、「モントリオールでの予選5番手がヘルムートを笑顔にしたのは間違いない。もしあと何回か同じことをやれれば、きっと彼も笑顔になると思う。依然としてパフォーマンスが重要なのは変わらないし、これからもそのことに焦点を当てていくつもりだ」と付け加えた。

ローソンは7月にイモラ・サーキットで2022年型アルファタウリ「AT03」をテストする予定だ。

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