F1モナコ決勝:タイヤ戦略考と天気、ペナ反映後のスターティング・グリッド
日本時間5月26日(日)22時にスタートを迎える2024年シーズンのF1第8戦モナコGPのスターティング・グリッドが発表された。予選結果からの変動および、予想されるスタートタイヤ戦略、天気を見ていこう。
変動したスターティンググリッド
リアウイングとフラップ間のクリアランス違反に伴い、予選12番手のニコ・ヒュルケンベルグと15番手のケビン・マグヌッセンが失格処分を受けた事で、ハースは決勝に向けてピットレーンスタートを選択した。
両ドライバーの後退によりダニエル・リカルド(RBフォーミュラ1)とランス・ストロール(アストンマーチン)は1ポジション、フェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)を含む5名は2ポジション昇格した。
ポールポジションに着くのは悲願の母国初優勝を狙うシャルル・ルクレール(フェラーリ)。最前列2番グリッドにはオスカー・ピアストリ(マクラーレン)が並ぶ。
角田裕毅(RBフォーミュラ1)はポイント圏内4列目8番グリッドに着く。隣の7番グリッドに並ぶのは前戦エミリア・ロマーニャGPと同じくルイス・ハミルトン(メルセデス)だ。
以下は暫定のスターティンググリッド。レース直前に発表される正式版との差異が発生した場合は更新される。予選順位との変動値を合わせて記す。
Pos | Driver | Team | Qualifying |
---|---|---|---|
1 | C.ルクレール | フェラーリ | 1(-) |
2 | O.ピアストリ | マクラーレン | 2(-) |
3 | C.サインツ | フェラーリ | 3(-) |
4 | L.ノリス | マクラーレン | 4(-) |
5 | G.ラッセル | メルセデス | 5(-) |
6 | M.フェルスタッペン | レッドブル | 6(-) |
7 | L.ハミルトン | メルセデス | 7(-) |
8 | 角田裕毅 | RB ホンダRBPT | 8(-) |
9 | A.アルボン | ウィリアムズ | 9(-) |
10 | P.ガスリー | アルピーヌ | 10(-) |
11 | E.オコン | アルピーヌ | 11(-) |
12 | D.リカルド | RB ホンダRBPT | 13(+1) |
13 | L.ストロール | アストンマーチン | 14(+1) |
14 | F.アロンソ | アストンマーチン | 16(+2) |
15 | L.サージャント | ウィリアムズ | 17(+2) |
16 | S.ペレス | レッドブル | 18(+2) |
17 | V.ボッタス | ザウバー | 19(+2) |
18 | 周冠宇 | ザウバー | 20(+2) |
19 | N.ヒュルケンベルグ | ハース | 12(-7) |
20 | K.マグヌッセン | ハース | 15(-5) |
レースの模様はDAZNとフジテレビNEXTで完全生配信・生中継される。
想定されるスタートタイヤ戦略と天気
身も蓋もない話だが、モナコのレースストラテジーは1ストッパー一択だ。
モンテカルロ市街地コースはオーバーテイクが事実上不可能であり、カレンダーの中で何処よりもトラックポジションが重要で、例えタイヤの履歴差が30周あっても前走車両を追い抜く事は難しい。過去10大会の統計では、1レースあたりの平均オーバーテイク数は僅か8回に過ぎない。
予選の序盤ラウンドで敗退したドライバーを除いて多くが新品ソフトを使い切っており、主流となるのはミディアムからハードに繋ぐ1ストップ戦略と予想される。
唯一の未知数はピットストップのタイミングだ。ピレリによるとスタートタイヤがミディアムの場合、24~34周目のウインドウがオープンとなる。ただ、セーフティーカー(SC)が導入される等、状況によってタイミングは大きく変わる可能性がある。
過去10大会の中で、バーチャルを含むSCなしにチェッカーフラッグが振られたのは2021年と昨年の2回しかない。
歴史が示すようにソフトをスタートタイヤに選ぶ者もあるだろう。
78周のレースにおいて、殆ど唯一のオーバーテイクチャンスはスタート後のターン1までの区間だが、追い抜くにはあまりに距離が短く、ソフトの優位性は限定的だ。
とは言え、早めにピットストップを消化して後方に下がり、クリーンエアーを受けてペースを上げ、アンダーカットを狙うアプローチは試す価値がある。
金曜と土曜は好天に恵まれたが、日曜のモンテカルロの天気はどうなのか?
執筆現時点での降水確率は0%とドライレースが期待される。路面温度が上がれば上がるほど、ソフトスタート勢はリアのサーマル・デグラデーションに苦しむことになるかもしれない。