サインツ、メルセデスF1移籍の可能性消滅か…”意外”なチームと交渉中との噂
ルイス・ハミルトンの後任として2025年にメルセデスに移籍する可能性が消滅したと見られているカルロス・サインツ(フェラーリ)は現在、ウィリアムズ・レーシングと交渉を進めているとの噂されている。
英Sky Sportsのクレイグ・スレーターはF1第8戦モナコGPを前に、サインツがメルセデスの候補から外れた理由は、両者の「タイムスケール」に大きな隔たりがあるためだと説明した。
「私が言えるのは、彼がメルセデスに移籍しないということだ。私はこれがかなり明白な事だと理解している」とスレーターは語る。
「メルセデスが彼を評価・リスペクトしていないという事ではなく、単に彼らはドライバーラインナップについて時間をかけて決めたいと考えている」
「メルセデスが目指している決断のタイムスケールは、カルロス・サインツ自身が望んでいるものと合致しない。彼は数ヶ月ではなく、数週間以内に契約状況を整理したいと考えている」
スレーターによるとメルセデスが時間をかけたいと考えているのはマックス・フェルスタッペン(レッドブル)の動向を見守るためだ。フェルスタッペンを巡る状況が確定するのは早くとも8・9月と見られており、決定が遅れるほどリスクを負うサインツにとって、それまで待つのは懸命とは言えない。
サインツという選択肢が消滅した今、3度のF1王者との契約が叶わない場合にメルセデスは、ジュニアドライバーのアンドレア・キミ・アントネッリをジョージ・ラッセルの来季チームメイトに選ぶだろうとスレーターは指摘した。
なお、サインツにとっての本命はレッドブルと目されている。アウディからの高額なオファーを保留する理由はそれ以外に考えにくい。
サインツとレッドブルとの交渉についてスレーターは、ここ数週間を通して「見通しが上がったり下がったり」の状況で見通しはハッキリしないとしつつも、イモラでの不振を一過性のものと証明しさえすればセルジオ・ペレスが契約を更新する可能性が高いとの見方を示した。
スレーターによると、契約交渉の窓口になっているのがモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコではなくクリスチャン・ホーナー代表である事がサインツにとって不利に働く可能性があるという。ペレスはホーナーに全面的な忠誠心を示している。
サインツについてスレーターは、アウディ入りの可能性が最も高いと考えているが、モナコではウィリアムズとも交渉が行われているとの噂されており、例えば英AUTOSPORTは「ウィリアムズがカルロス・サインツの意外な候補として浮上した」と伝えた。
サインツがウィリアムズを選ぶ理由は殆どなさそうに思われるが、英国グローブのチームとパワーユニット(PU)供給契約を結ぶメルセデスは、2026年導入の次世代PU開発において有望な兆しを見せているとされる。