ウォルフのラブコール「嬉しい」とフェルスタッペン、メルセデスF1移籍の可能性を巡り
2025年に向けてレッドブルからメルセデスへの移籍を希望するとのトト・ウォルフ代表の”ラブコール”を受け、マックス・フェルスタッペンは「そう言ってもらえて嬉しい」と語った。
首脳陣を巡るレッドブル・レーシング内部の混乱が一向に収束しない中、フェルスタッペンは2028年末までの契約を全うする事が自身の「意向であるのは間違いない」としつつも、将来的な移籍の可能性を除外していない。
史上最も支配的な力を誇示する3度のF1王者の将来に大きな注目が集まる中、ウォルフは前戦サウジアラビアGPの週末に「是非とも迎えたい」と述べ、今季末を以てフェラーリに移籍するルイス・ハミルトンの後任第一希望にフェルスタッペンを名指しした。
英「Sky Sports」によるとフェルスタッペンは第3戦オーストラリアGPに先立ち、ウォルフの発言が自身に影響を及ぼすかどうかについて尋ねられると「僕がどうするかという事に関しては、何の影響もない。そう言ってもらえるのはいつだって嬉しい」と答えた。
フェルスタッペンが自身初のタイトルを獲得した2021年はメルセデス及びハミルトンとの一騎打ちとなり、コース上での衝突を含め、シーズンを経る毎に両者の緊張関係は高まっていき、チーム代表による絶え間ない場外での舌戦にまで発展する事態となった。
フェルスタッペンは「トトと僕、僕ら(レッドブル・レーシング)の間にはちょっとした事があったけど、あれはチャンピオンシップを争っている状況では普通のことだし、リスペクトの念を忘れた事はない」と続けた。
将来的なメルセデスへの移籍の可能性については「分からない。2028年以降にどうなるのか、F1に留まるのか、それとも続けるのか、新しい契約にサインするのか、分からないよ」と答えた。
2015年のトロ・ロッソでのF1デビュー以来、フェルスタッペンは一貫して、レッドブル・ファミリーの一員として成功に満ちたキャリアを歩んできた。レッドブル昇格の初戦となった2016年のスペインGPで初優勝を飾ると、これまでに3度のタイトルを獲得した。
それは最高技術責任者のエイドリアン・ニューウェイを筆頭に、テクニカル・ディレクターのピエール・ワチェ、エアロダイナミクス・デザイナーのクレイグ・スキナー、そしてエンリコ・バルボやベン・ウォーターハウスといった才能ある技術チームなくしては成し得ないものだった。
レッドブルについてフェルスタッペンは「僕にとっては第2の家族みたいなもので、いつだって居心地がいい」としたうえで、現行契約を全うするかどうかは、チームの主要メンバーが今後もチームに留まる事が一つの条件になると仄めかした。
「僕らにとって重要なのは、重要人物を長くチームに留めておくことだ。だってそれはパフォーマンスに関係してくるからね」
「結局のところ、パフォーマンスベースなんだ。結果を残せなければここに僕がいないのと同じでね。その仕組みは理解している。契約が成立している以上、最後までここに留まるのが僕の意向であるのは確かだ」
「個人的な観点からも、最後までやり遂げるのは重要なことだ。それは実質的に、僕が一つの家族、一つのチームの一員だったことを意味するわけだからね」
”重要人物”とは一体、誰のことを指しているのか? フェルスタッペンは 「色んな人たちだよ。みんなに知られてしまうから名前を挙げるつもりはない」と答えた。