シルバー復活…メルセデスF1、2024年の新車「W15」発表!予測不能なリアにプッシュロッド
メルセデスAMGペトロナスF1チームは2月14日(水)、2024年のFIA-F1世界選手権でルイス・ハミルトンとジョージ・ラッセルがドライブする新車「W15」を世界初公開した。
昨年のコンストラクターズ選手権2位を掴んだ先代の「W14」は軽量化の観点から”ブラック・アロー”となったが、その後継機のノーズセクションは銀があしらわれ、伝統のシルバーが一部に戻ってきた。
かつてV6ハイブリッド時代の絶対的支配者と称されたメルセデスは昨年、2011年以来初めてシーズン未勝利に終わった。
不振の昨シーズン途中でマイク・エリオットに代わってジェームズ・アリソンがテクニカル・ディレクターとして開発の最前線に復帰し、チームはグランドエフェクトカーが導入された2022年以降、貫いてきた独自のコンセプトを捨て去った。
メルセデス製F1パワーユニット及びギアボックスを搭載するアストンマーチン「AMR24」の発表により明らかとなったように、再出発の礎となる「W15」はリア・サスペンションがプッシュロッド式に変更された。
アリソンは「以前のクルマにあった予測不可能なリアアクスルを改善することが大きな焦点だった」と説明する。
「我々は両アクスル、特にリアアクスルがW14よりもタイヤを上手くコントロールできるように取り組んできた。また、DRSエフェクトやピットストップ・パフォーマンスなど、改善の余地がある領域についても若干のメンテナンスを行った」
2024年に向けての変更はサスペンションだけでなく、シャシー、新しいギアボックス・ケーシングなど広範に渡る。ただし、グランドエフェクトカーの差別化要因は表立っては見えないアンダーフロアにある。
「現行世代のマシン・パフォーマンスの大部分はフロアと地面との相互作用によって決まる。クルマが効果的かどうかは、フロアが空気力学的にどの程度適切に動作するかによって決定される」とアリソンは続ける。
「良いオフシーズンになったと思うが、F1は相対的なゲームだ。我々がどれほど大きな一歩を踏み出したかは時間が経てば分かるだろう」
チームは新車発表を経て、シルバーストン・サーキットで即日、シェイクダウンを実施する。